三井化学は18日、主にマスク用ノーズクランプに使用される形状保持プラスチック線材「テクノロート」の生産設備の増設が先月15日に完工し、今月から商業運転を開始したと発表した。
同社は、コロナ禍での旺盛なマスク需要拡大に対応するため、今年6月から100%子会社サンレックス工業(三重県四日市市)での増設工事を進めていた。今回の増設により、同社グループのマスク用ノーズクランプ生産能力は、年産マスク30億枚相当となる。
「テクノロート」は、人の手で簡単に折り曲げたり、ひねったりでき、また変形後の形状保持性にも優れている。同用途の針金と比べても、軽量で使用時に引っかき傷やつき刺し傷を発生させにくい、焼却処理が容易、非金属であるため食品・医療用途での金属探知機での異物混入検査を妨げない、といった特長がある。
同社は今後も、拡大するマスク需要への対応や他用途への展開も図ることで、「テクノロート」のさらなる能力増強も検討していく予定だ。