ユーグレナ 燃料副産物をイチゴ栽培などの有機液肥に

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2020年7月15日

 ユーグレナはこのほど、明治大学、戸田建設、ルートレック・ネットワークス、DAインベント、Office FUJIWARAと共同で、微細藻類ユーグレナ(ミドリムシ)を原料とした有機液肥の農作物栽培の実証試験で、従来の化学液肥と同等の収穫量が得られることを確認したと発表した。

 ユーグレナからバイオ燃料用の脂質を抽出すると、ユーグレナ脂質抽出残渣が発生する。残渣の利用開発が資源の有効利用、さらに有価物として販売できればバイオ燃料の生産コスト低減に繋がる。今回有機液肥に注目し、明治大学黒川農場で実証実験を行った。

 牧草や野菜くずを原料とする有機液肥は、原料中の有機酸の影響で、農作物によっては生育障害が起こる。ユーグレナ脂質抽出残渣は、脂質抽出過程で有機酸が減少する。ユーグレナ脂質抽出残渣を原料とした有機液肥(ユーグレナ有機液肥)を、イチゴ栽培で試験した結果、農作物生育への有機酸の被害はなく、従来の植物性原料液肥に比べて有望だった。化学液肥と収量・品質に差がないことも確認された。

 同社では、バイオマスの5F(重量単価順に、食料、繊維、飼料、肥料、燃料)の基本戦略に基づき、ユーグレナなどの微細藻類を活用して、食品や化粧品などのヘルスケア事業、バイオ燃料などのエネルギー・環境事業に取り組んできた。ユーグレナ有機液肥は、肥料(Fertilizer)という新用途での可能性に向け、資本業務提携先の小橋工業など複数のパートナーと共同開発中だ。

 今後も微細藻類やバイオテクノロジーを活用した事業を通じて、サステナブルな社会の実現を目指していく。