大日本住友製薬とサンバイオ(東京都中央区)はこのほど、再生細胞薬「SB623」の慢性期脳梗塞を対象とした、北米(米国・カナダ)での共同開発を中止することで合意した。大日本住友製薬とサンバイオの米国子会社SanBioの間で2014年に締結した、共同開発とライセンス契約を解消する。
北米の同剤に関する権利は、サンバイオグループ(サンバイオ・SanBio)に返還される。今後両社間での開発協力金やマイルストンなどの支払い・受領は発生しない。なお、大日本住友製薬は保有するサンバイオ株式を、現時点で売却する予定はない。
サンバイオグループが慢性期脳梗塞を対象として米国で行った、フェーズ1/2a臨床試験の良好な結果を受けて、2014年9月に大日本住友製薬とSanBioは契約を締結。しかし、これに基づき2015年に開始したフェーズ2b臨床試験は、今年1月に主要評価項目未達という結果となった。その後実施した詳細解析も踏まえ、両社で今後の方針を協議し、契約を解消することになった。
大日本住友製薬は同剤のフェーズ2b臨床試験の詳細解析を踏まえ、全社の事業戦略上の優先順位を検討した結果、共同開発を中止することを決定した。一方、サンバイオグループは、今後もグローバル展開を目指して同剤の慢性期脳梗塞を対象とした開発を継続する。