ユニチカはこのほど、2030年近傍を見据え、長期ビジョン「G‐STEP30(ジーステップ・サーティ)」と、3カ年の新中期経営計画「G‐STEP30 1st(ジーステップ・サーティ ~ファースト)」を策定した。
長期ビジョン「G‐STEP30」は、前中期経営計画で掲げた「3つのG:Growth(事業成長戦略の推進)、Global(グローバル事業展開の強化・推進)、Governance(グループガバナンスの強化)」を継続的なテーマとして、長期展望に立ちステップを踏みながら実現していく。数値目標として2030年度に売上高2000億円、営業利益200億円(利益率10%)、海外売上高比率35%などを目指す。
一方、新中計「G‐STEP30 1st」(2020~22年度)は、長期ビジョンのスタートとして位置づけた。経営基盤の強化に向けて「3つのG」をさらに進めるとともに持続可能な社会の実現に向けた活動も継続していく。骨子として、強固な事業ポートフォリオの構築、グローバル事業展開の推進、社内風土・意識改革を掲げている。
また、セグメント別の主要施策として、①高分子セグメントでは、フィルムは包装用途・工業用途向けとも高付加価値品の拡販を行い、また海外向けバリアフィルムの拡販に努める。樹脂は用途拡大や、海外展開強化による独自素材(Uポリマー、環境配慮型素材など)の拡販を図る。
②機能資材セグメントでは、活性炭繊維は各種浄化用フィルターの高性能化・新商品開発・国内外での拡販、ガラス繊維はICクロス市場のニーズの高度化に対応した高付加価値品の拡販、ガラスビーズは高付加価値品の開発・拡販、不織布では新規用途展開やグローバル販売網の強化による欧米・アジアへの拡販、産業繊維はポリマー・紡糸技術の組み合わせによる高付加価値品の拡販に注力する。
③繊維セグメントでは、衣料繊維はエコ、環境配慮型素材の商品開発・拡販を行う。
新中計の数値目標は、2022年度に売上高1470億円、営業利益110億円(利益率7.5%)、海外売上高比率28%を目指す。また3年間累計の設備投資は234億円(前中計比13%増)、減価償却費182億円(同20%増)、研究開発費111億円(同7%増)となっている。