カネカは22日、日本医療研究開発機構(AMED)の「新型コロナウイルス感染症(COVID‐19)に対する治療薬開発」の採択を受けた、と発表した。同社は国立感染症研究所と「COVID‐19の治療用ウイルス中和抗体の開発」を共同で進めてきており、今後、治療薬開発を加速していく方針だ。
現在、世界中でCOVID‐19に対する医薬品として、治療薬やワクチンの開発が急速に進められている。カネカは、東京理科大学と共同で開発した体外免疫法を用いることによって、新型コロナウイルスとその変異型に対する抗体医薬品を開発する計画。同社は製薬企業と共同で2021年度中に臨床試験の開始を目指していく。
同社はCOVID‐19に対し「アビガン錠」の原薬生産、またカネカユーロジェンテック社(ベルギー)ではベルギー政府の要請によりPCR検査試薬の製造供給を強化している。さらにワクチンとして早期実用化が期待されているmRNAやプラスミドDNAの製造体制をすでに整えている。カネカはこれからも革新技術を駆使して、感染症に対抗するための多面的なソリューションを提供していく考えだ。