新日鉄住金エンジニアリング 省エネ型CO2回収設備の2号機を竣工

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2018年12月27日

 新日鉄住金エンジニアリングはこのほど、住友共同電力から受注し、新居浜西火力発電所構内で建設を進めていた、省エネ型CO2回収設備「ESCAP」が竣工したと発表した。

 同設備は、同社が開発した化学吸収法によるESCAPの商業第2号機であ、石炭火力発電の燃焼排ガスから食品用途レベルのCO2を分離回収する商業設備として、日本で初となる。また、同設備で生産されるCO2は、住友化学愛媛工場で使用される副原料として供給される。

 ESCAPは製鉄所や発電所、各種工場で発生する排ガスなどを原料とし、高純度なCO2素の供給が要求される食品・化学プロセス用途向けも含め、CCUS(大気放散前のCO2を分離・回収、輸送、利用または圧入・貯留する技術)の目的に幅広く適用ができる技術。同社は、本技術の適用による資源の有効活用を通じ、低炭素化社会の実現に向けて貢献し続けていく考え。

新日鉄住金エンジ 大ガスとタイでエネ供給プロジェクト

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2018年9月7日

 新日鉄住金エンジニアリングと大阪ガスはこのほど、共同出資するタイの現地法人NSETが、同国で二輪車製造を行うホンダグループのタイ・ホンダ・マニュファクチャリング向けオンサイトエネルギー供給プロジェクトを竣工し、4月1日からエネルギー供給を開始したと発表した。

 同様のエネルギー供給プロジェクトは、昨年11月のホンダ・オートモービル・タイランド社向けに続き、同国では4件目となる。両社は引き続き、これまでの豊富な建設・操業・保守経験を生かし、環境性・経済性に優れたエネルギーエンジニアリングソリューションを提供することで、低炭素社会の実現に向けた顧客企業の取り組みに貢献するとともに、タイでの事業拡大を図っていく考えだ。

 同プロジェクトはガスエンジンによる発電後の排熱から蒸気・温水の双方を回収し、電熱供給する高効率コージェネレーションシステムと、高効率ターボ冷凍機を用いた冷水システムの導入により、15年間にわたり電気と熱(蒸気・温水・冷水)の供給を行い、工場内の省エネを図るもの。

 ガスエンジン・コージェネ設備の能力は、発電出力:7800kW、温水供給能力:2000kW、蒸気供給能力:4t/時、冷水供給能力:4900kW、想定CO2削減量:7000t/年。NSETが、コージェネの建設からオペレーション、ガスの調達まで全て行う「エネルギー・ワンストップサービス」を提供するビジネスモデルとなっている。

 また、系統電圧が低下した際には速やかに自立運転に移行し、コージェネが非常用電源として単独でのエネルギー供給を継続することが可能なため、系統事故時でも工場操業を安定化できる。

 環境面では、同プロジェクトは2国間クレジット制度(JCM)に基づくクレジットの獲得を目指す「環境省 平成27年度JCM設備補助事業」に採択されており、8月23日に環境省の確定検査を完了。JCMを活用することで、15年間で約10万tのCO2を削減し、日本のCO2削減目標の達成に貢献する。