SEMIはこのほど、最新の「ワールド・ファブ・フォアキャスト」レポートにおいて、世界の半導体メーカーによる19件の新規量産ファブ建設計画が今年中に着工し、来年も新たに10件の建設計画が着工されると明らかにした。これは全世界で加速する半導体需要に対応するためで、需要拡大は、通信、コンピューティング、ヘルスケア、オンラインサービス、車載など幅広い市場に及んでいる。
SEMIプレジデント兼CEOのアジット・マノチャ氏は、「世界的なチップ不足に対応するために、新規ファブ29件の装置投資額は、今後数年間で合計1400億ドルを超えることが予測される。中長期的には、ファブ生産能力の拡大により、自動運転車、AI、ハイパフォーマンス・コンピューティング、次世代通信といった新たなアプリケーションに起因する半導体への旺盛な需要に応えることができるだろう」と述べている。
ファブ建設を地域別で見ると、中国と台湾が各八件と最多。南北アメリカの6件、欧州/中東の3件と続き、日本と韓国は各2件となる。ウェーハ口径別では、300mmファブが今年15件、来年7件と多数を占める。残り7件には、100mm、150mm、200mmのものがある。また29件の生産能力は、200mmウェーハ換算で最大月産260万枚に上ると見られる。
分野別で見ると29件のファブのうち、15件がファウンドリで、その生産能力は200mmウェーハ換算で月産3万~22万枚。4件のファブはメモリーで、その生産能力は同換算で月産10万~40万枚となる。多数の半導体メーカーが今年から新規ファブ建設に着工するが、装置搬入フェーズに至るまでには最大2年が必要となるため、ほとんどが2023年に装置への投資を開始する。しかし、いくつかのファブでは、来年前半に装置の搬入を開始する可能性がある。また現時点で来年10件の量産ファブの建設開始を想定しているが、今後、半導体メーカーが新たなファブ計画を発表する可能性もある。