持続可能な開発と循環型経済に取り組むブラスケムはこのほど、トリウンフォ石油化学コンプレックス(ブラジル、リオグランデ・ド・スル州)内の研究施設・テクノロジー&イノベーションセンターに、再生樹脂の利用促進を目的とした新設備を導入し、7月から稼働を始めると発表した。投資額は15万レアル(約330万円)。
「リサイクルアイランド」と呼ばれる同設備は、再生樹脂の性能評価試験と、市場ニーズを満たし、環境への影響を低減する持続可能で革新的な製品の開発を担う。同時にリサイクルチェーンとその市場の発展への貢献も果たしていく。同社は「リサイクルアイランド」での取り組みを、ブラジルの石油化学産業の先駆的なプロジェクトと位置づけており、そこでの成果を他の拠点にも展開していく考えだ。
設備導入の背景には、より高品質な再生樹脂の開発に向け技術の向上を図るとともに、プラスチックのサプライチェーンでの再生樹脂の重要性を高めようとする同社の強い意思がある。市場での研究開発の支援のみならず、2025年までに年間30万t、さらには2030年までに年間100万tの再生樹脂と化学品をポートフォリオに加えるという、同社の持続可能性への目標を見据えたものだと言える。
同社幹部は「プラスチックの持続可能で革新的なソリューションを開発するために、業界の一員としての役割を果たしていく。使用済みプラスチックの品質向上は、リサイクル製品の用途拡大に重要な要素であり、結果として循環型経済の強化につながっていく」と話す。
ブラスケムは昨年、2050年までの循環型経済とカーボンニュートラル達成をコミットした。遡ること2018年には、2040年までにプラスチック製パッケージを100%再利用・リサイクル・回収していく方針を打ち出している。同社は廃プラや資源循環に向けた取り組みに、一層拍車をかけていく。