出光興産 徳山事業所に高効率ナフサ分解炉を新設

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2020年12月14日

 出光興産は11日、徳山事業所(山口県周南市)に高効率ナフサ分解炉を新設したと発表した。今後、試運転期間を経て、来年2月に商業運転を開始する。

新設したナフサ分解炉
新設したナフサ分解炉

 高効率ナフサ分解炉は、原料であるナフサを短時間で熱分解することでエチレンの得率を高め、熱効率を向上させる。これにより、従来の分解炉と比較し約30%の省エネルギー効果が発揮でき、年間約1万6000tのCO2削減に寄与する。ナフサは粗製ガソリンとも呼ばれる石油製品の1つで、分解炉を経由し熱分解することで、エチレンやプロピレンなどの石化製品の基礎原料となる。

 同事業所ではエチレン製造装置により年間約62万tのエチレンを生産し、主に周南コンビナートに供給している。こうした中、エチレン製造装置内にある旧型のナフサ分解炉2基を停止し高効率ナフサ分解炉1基を新設した。

 なお、今回の件は工場の省エネルギー化を支援する経済産業省の「省エネルギー投資促進に向けた支援補助金」を活用している。今後も、省エネルギー推進により事業活動に伴う環境負荷の低減に努めるとともに、地球環境と経済が調和した地域社会形成への貢献を目指す。

住友化学 千葉工場に高効率なガスタービン発電設備を新設

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2020年10月6日

 住友化学は5日、温室効果ガス排出削減に向けた取り組みの一環として、千葉工場(千葉県市原市)の既存の石油コークス発電設備を廃止し、高効率なガスタービン発電設備を新設すると発表した。設備の完成は2023年秋を予定している。

 千葉工場にCO2排出係数の低い液化天然ガス(LNG)を燃料とするガスタービン発電設備を新設し、同工場から排出されるCO2の約20%に相当する年間24万t以上を削減する。また、隣接するグループ会社の広栄化学にも同設備から電力供給を行い、住友化学グループとしてさらに温室効果ガス排出削減を図る。なお、今回の新設は、広栄化学との連携事業として、経済産業省の令和2年度「省エネルギー投資促進に向けた支援補助金(エネルギー使用合理化等事業者支援事業)」の交付が決定している。

 2015年に国際的な枠組みとして採択されたパリ協定では、産業革命以前からの平均気温上昇を低く抑える「2℃目標」や「1.5℃目標」が示されており、温室効果ガスの排出削減対策は喫緊の課題。そのため、住友化学は、2018年、愛媛工場(新居浜市)の敷地内に5社共同出資によるLNG基地建設への参画を決定。同基地が供給するLNGを、グループ会社である住友共同電力が2022年7月に稼働予定の火力発電所で使用することで、愛媛工場のCO2排出量を削減する計画だ。

 住友化学は、2018年に総合化学企業として世界で初めてSBT(Science Based Targets)イニシアチブによる認定を取得するなど、温室効果ガスの排出削減に積極的に取り組んでいる。同社グループは、「事業活動を通じて人類社会の発展に貢献する」を経営理念に掲げ、引き続きグループを挙げて、気候変動問題をはじめとする社会課題の解決に積極的に取り組んでいく。