三井化学 新型ブロックポリマーの開発で化学技術賞を受賞

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2019年3月26日

 三井化学はこのほど、2018年度の日本化学会化学技術賞を受賞し、17日に表彰を受けたと発表した。同賞は日本の化学工業技術に関して、創造性と成果が特に顕著な者に対して授与される。

 今回の受賞は①三井化学がもつ独自の触媒・合成技術を活用し、ポリオレフィンとシリコーンとが結合した新型ブロックポリマー「イクスフォーラ」の製造技術開発に成功したこと②これをポリオレフィン表面改質剤として、製造販売元である三井化学ファインが用途・顧客開拓して実用化に至ったこと‐の2点が評価された。

 受賞者は生産技術研究所の岡部晃博主席研究員、朝重直樹主席研究員、松浦貞彦主席研究員、機能材料研究所の永井直主席研究員、ミツイ・ケミカルズ・アメリカの原田保氏。

 開発した「イクスフォーラ」は、ポリオレフィン材料の成形時に少量添加することで、製品の表面に離型性、撥水・撥油性、耐摩耗性という、シリコーン樹脂特有の特長を付与することができる。また、従来のシリコーン系改質剤に見られる、ブリードアウト、ポリオレフィン材料との非相溶性、成型性の低下などの課題を解決する。

 このような性能が評価され、食品残りが少ない包材・ボトルなどに採用され、フードロス削減に貢献している。また、液晶パネルに使用される光学フィルムや住宅建材などの保護フィルム、汚れが落ちやすいシートなどでも使われている。今後は、ヘルスケア分野を中心に用途開発を加速していく。