三井化学は7日、整形外科用の医療機器を製造販売する日本エム・ディ・エム(東京都新宿区)との間で資本および業務提携契約を締結するとともに、同社筆頭株主の日本特殊陶業がもつ日本エム・ディ・エム全株式を取得することで合意したと発表した。794万2764株(発行済み株式総数の30%)を取得することで日本エム・ディ・エムに資本参加。2022年1月7日の株式取得完了を予定する。
三井化学は、今回の資本・業務提携を起点に、化学の力に基づく革新的な部材の開発と供給に加え、患者・医療従事者をはじめとする医療に関わる全てのステークホルダーへのソリューション提供まで踏み込み、人々の命への貢献を目指す考えだ。具体的には、三井化学グループがもつヘルスケア分野での開発・製造の機能と、日本エム・ディ・エムグループがもつ医療機器分野の薬事・開発、販売ネットワークを互いに有効に活用することで、両社の協業可能性を追求し事業開発と海外事業の拡大を促進していく。
三井化学は、6月に発表した長期経営計画「VISION2030」の中で、「ライフ&ヘルスケア・ソリューション」事業を第一の柱として成長させていくポートフォリオ変革を掲げた。事業内容もこれまでの素材提供に留まらず、サービスなどの要素も組み合わせて社会課題解決を実現する「ソリューション型ビジネスモデル」を志向。また、高齢化社会に対して整形外科領域での医療機器事業を通じてあらゆる人々のQOL(生活の質)向上に寄与していくことが、同社の果たすべき重要な役割と捉えている。