旭硝子財団は10日、ブループラネット賞(地球環境国際賞)の2019年の受賞者に、エリック・ランバン教授とジャレド・ダイアモンド教授を決定したと発表した。
同賞は地球環境の修復を願い、地球サミットが開催された1992年に設立され、今年で28回目となる。地球環境問題の解決に関して、社会科学、自然科学/技術、応用の面で著しい貢献をした、個人または組織の業績を称える国際的な賞。今回は国内500人、海外788人のノミネーターから150件の受賞候補者が推薦され、その中から2人が選ばれた。
受賞者のうち、エリック・ランバン教授はベルギー出身で、スタンフォード大学教授・学部長。世界的規模での土地利用の変化、その生態系への影響や土地利用政策の有効性を、衛星リモートセンシング技術と独自の時系列解析手法を用いて、土地利用の変化が地球の自然システムへ悪影響を及ぼしていることを早くから指摘した。さらに、 社会経済データと結び付けて経済活動との関係も明らかにした。
ジャレド・ダイアモンド教授は米国出身で、カリフォルニア大学ロサンゼルス校地理学部教授、歴史家、作家。代表的な著作である、「銃・病原菌・鉄」「文明崩壊」「昨日までの世界」の3部作を通じて提示された論考は、並外れた知的探求の結果生み出された文明論、組織論、社会論を包含し、非常に広範な視野から今日の環境問題の根源を深く洞察し、人類文明史における環境問題の意義を独自の視点から解き明かした。
表彰式は12月11日に東京都千代田区のパレスホテル東京で行われ、賞状とトロフィー、副賞5000万円が贈られる。その後、12日に東京大学、14日に京都大学で受賞者による記念講演会が開催される。