住友化学 有機光ダイオード開発で仏イゾルグ社と提携

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2019年7月2日

 住友化学は1日、フランスのイゾルグ社と、有機光ダイオード(OPD)を用いたスマートフォン用の指紋センサー、有機CMOSイメージセンサーの開発で提携する契約を締結したと発表した。

 同契約は、有機半導体材料の開発で世界をリードする住友化学と、OPD技術を使ったデバイスや大面積イメージセンサーを世界に先駆けて開発したイゾルグ社が、2013年にスタートさせた協力関係をより深化させることが目的。

 住友化学は指紋センサーや有機CMOSセンサー用のOPD材料を製造し、イゾルグ社に供給するとともに、同社の生産技術とマーケティングを支援する。イゾルグ社はパネルメーカーの協力を得て、これらセンサーの量産化を目指す。

 今回の提携により生み出される指紋センサーは、軽量・薄膜で、塗布プロセスで製造できるため、大面積化が容易という特長がある。大面積の指紋センサーをスマートフォンの画面全体に組み込むことで、画面上のどの場所でも複数の指紋を検出・認証することが可能になり、利便性とセキュリティの向上が期待できる。

 また、有機CMOSセンサーは、住友化学のOPD材料が通常の可視光だけでなく、高感度に近赤外線の検出も可能なため、近赤外線用の高性能なカメラにも応用できる。両社はこれらのセンサーがセキュリティや自動車、診断、家電用途などでも幅広く使われると期待している。

 住友化学の上田博副社長は、「イゾルグ社とのパートナーシップにより、これまで困難であったスマートフォンの全画面指紋認証や、有機CMOSセンサーの実用化に大きく前進する」と話している。