出光興産はこのほど、今月15日に山口県周南市が発足した「木質バイオマス材利活用推進協議会」に協議会委員として参画すると発表した。同市は豊富な森林資源とバイオマス発電設備を併せもつ。協議会ではその特性を生かし、エネルギーの地産地消と林業振興を目的に、実証実験を通じて国産の木質バイオマス材利活用を推進する。
市有林の一部で、早生樹を活用した木質バイオマス材生産の実証などを通じ、参加する関係企業・機関などが協力し国産材の利用拡大を検討。早生樹による短期間・低コストのバイオマス生産に加え、森林と消費地の近接立地を生かした運搬費低減が期待でき、また、早生樹への転換により森林の循環利用と林業の振興にも寄与する。さらに、実証実験を踏まえ、早生樹による木質バイオマス材生産を市内他地域へ拡大することを目指すほか、国産の木質バイオマス利活用の方法についても協議していく。
同社は、より低炭素なエネルギー供給を目指し、徳山事業所(同市)では旧製油所跡地を利用したバイオマス発電所の建設を進めている。周南コンビナートについても今後バイオマス発電所が新設されるほか、既存の発電設備や石炭ボイラーなど、県内にとどまらず国内のバイオマス材の需要も今後もますます高まる見通し。同社および徳山事業所は、今後も周南市とともに、再生可能エネルギーの活用とエネルギーの地産地消モデル確立を推進していく。