ホンダ 車載バッテリーでCATLと包括的戦略提携

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2020年7月17日

 本田技研工業はこのほど、中国最大の車載用電池メーカー・寧德時代新能源科技(CATL)と、新エネルギー車用バッテリーに関する包括的なアライアンス契約を締結した。

 電動自動車普及加速の戦略パートナーシップを強化し、バッテリーの共同開発、安定供給、リサイクル・リユースの幅広い領域が対象となる。両社の技術を持ち寄り、バッテリーの共同開発と将来基礎技術の共同研究を進め、グローバルの電動化目標達成を目指す。

 CATLは、新エネルギー車用バッテリーシステムとエネルギー貯蓄システムの研究開発・生産・販売を通じ、グローバルで最適ソリューションを提供。ホンダは、二輪、四輪、ライフクリエーション、航空機事業をグローバル展開しているが、自動車電動化の取り組みを加速している。

 ホンダはCATLの第3者割当増資を引き受け、同社株の約1%を取得。同社のトップ戦略パートナーとなり、商品競争力とコスト競争力のあるバッテリーを安定的に確保できるようになった。一方、CATLはこの増資によりバッテリー開発の強化とホンダ向けバッテリーの安定供給を実現し、2022年をめどに中国生産モデルへの供給を開始する予定。

 両社は、電動車普及拡大に向けた取り組みを強化することで、長期の関係を構築し、将来的にはグローバル展開も検討している。またバッテリーリサイクル・リユースのスキーム構築の協議も始める考えだ。

NEDOなど インドネシアで電動車向け電池シェア実証研究

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2019年9月12日

 新エネルギー・産業技術総合開発機構(NEDO)はこのほど、助成事業で本田技研工業、パナソニック、パシフィックコンサルタンツ、HPP Energy Indonesiaの4社が、インドネシアでの電動モビリティー向けバッテリーシェアリングシステムの実証研究を開始したと発表した。

 同実証研究では、電動二輪車から着脱・持ち運び可能なバッテリーをユーザー間でシェアすることによる充電時間の短縮効果や、ICTを活用したバッテリー稼働状況の集中管理を含めたシステム全体の有効性を検証する。実証で得られた結果をもとに、同システムを用いたビジネスモデルの確立を図り、インドネシアでの電動モビリティーの普及とともに環境負荷低減を目指す。

 インドネシア政府は、2025年までに1次エネルギー源による石油の割合を現在の49%から22%以下に低減させる目標を掲げている。また、同国の二輪車・四輪車保有台数は東南アジア第1位で、自動車向け燃料費補助金による財政圧迫と大気汚染の進行を理由に、自動車の石油燃料消費量削減への関心が高く、2025年に電動二輪車210万台、電気自動車(EV)2200台の生産を目指している。

 しかしながら、それら電動モビリティーの普及には長い充電時間を短縮することが課題であることに加え、使用後のバッテリーの再利用まで見据えた取り組みが必要。現在、同国での二輪車・四輪車市場では、主流を占めている日本が同国に果たすべき役割は大きいと言える。

 こうした中、NEDOはインドネシアでの電動モビリティー普及の課題解決を目的としたバッテリーシェアリングシステムの実証事業を立ち上げ、分散型エネルギー資源としての可搬型蓄電池シェアリング実証研究の実施について、インドネシア工業省と基本協定書(MOU)を締結。NEDOが助成先として選定した4社が、インドネシアで電動モビリティー向けバッテリーシェアリングシステムを構築し、今回、同システムの実証研究を開始した。

 具体的には、バンドン市とデンパサール市に設置した充電ステーションで、電動バイクユーザーがスマートフォンアプリなどを通じてバッテリーをシェアする方式を導入する。また、西ジャワ州西バンドン県タングシジャヤ村では、バッテリー単体の2次利用サービスに関する実証も行う予定だ。実証期間は2021年2月まで。