東ソーは4日、2018年度第3四半期(4-12月期)の決算を発表した。売上高は前年同期比7%増の6458億円、営業利益は16%減の796億円、経常利益は17%減の832億円、純利益は18%減の564億円となった。
同日開催された決算会見で、米澤啓執行役員経営管理室長は「第3四半期累計では、売上高は過去最高となり、利益項目は
2019年2月5日
2019年1月29日
東ソーはこのほど、短チャネル有機トランジスタ向けプリンテッドエレクトロニクス材料(有機半導体、絶縁膜材、撥液バンク材、保護膜材)を開発したと発表した。
有機半導体(開発コード名:TS5)は、溶解性と耐熱性を併せもち、塗布で良好な結晶膜を形成。5㎛の短チャネル有機トランジスタで1㎠/Vs以上の高移動度を発現する。絶縁膜材(DC100)、撥液バンク材(BC400)、保護膜材(DK500)は、いずれも感光性があり、低温・短時間硬化が可能で、光パターニングにより微細な開口部を形成する。
同社では、これまでに山形大学との共同研究で、有機ELディスプレイやセンサの試作・駆動実証に成功している。なお新規開発の4製品は、東京ビッグサイトで30日~来月1日に開催の「JFlex2019」(コンバーティングテクノロジー総合展内)に出展される。
ブース番号は2X‐17。また、同会場で併催される「新機能性材料展」では、同社のファインセラミックス「ジルコニア」関連製品を出展する。ブース番号は2P‐20。
2019年1月25日
東ソーはこのほど、文部科学省ナノテクノロジープラットフォームが主催する2018年度の「秀でた利用成果」で、優秀賞を受賞したと発表した。受賞した開発課題は「ジルコニアセラミックスの力学特性劣化機構の解明」。
ファイン・セラミックスの一種である高強度ジルコニアは、高温大気や熱水中の厳しい環境下に長時間さらされると、結晶相変態による強度劣化のため常温使用に用途が制限されていた。この本質的な弱点を克服するため、同社は劣化モデルの立案とその特性改良に取り組み、従来の概念を覆す超高耐久性ジルコニアの開発に成功した。
今回、東京大学・微細構造解析プラットフォームの高度な解析技術を利用して、この劣化モデルの妥当性を検証し強度劣化の仕組みを解明。産学連携により、理論に裏打ちされた超高耐久性ジルコニアの提案に至った。これまで制限されていた厳しい環境下での使用が、さらに拡大すると期待されている。
「秀でた利用成果」は①ナノテクノロジープラットフォームの活用・支援が大きな効果をもたらしたもの②イノベーションの創出にあたって大きな影響が期待できるもの③産業界・大学・公的機関の連携により大きな成果が得られたものという3つの基準で審査される。イノベーションに繋がることが期待される秀逸な成果を表彰している。
なお、今回受賞した開発成果を含む高機能材料製品を、「新機能性材料展2019」(東京ビッグサイト。30日~来月1日開催)に出展する。
2019年1月11日
東ソーは10日、米国のバイオベンチャー企業「10 Biosciences(Semba)社」(ウィスコンシン州)の増資を引き受け、同社へ出資したと発表した。バイオサイエンス事業の強化・拡大の一環。これにより、東ソー・グループのSemba社への出資比率は33.3%(完全希薄化後ベース)になる。なお、この出資は同社100%出資の米国子会社Tosoh Bioscience 社(ペンシルベニア州)を通じて実施した。
Semba社は2005年の設立。2009年に世界初の卓上タイプの連続クロマトグラフィー装置Octaveを上市した。最近ではバイオ医薬品の開発用連続クロマトグラフィー装置ProPDを市場投入し、製造用連続クロマトグラフィー装置ProGMPの製品化を進めている。
東ソーは今回の出資により、Semba社との連携を強化し、液体クロマトグラフィー用分離剤(トヨパール)事業とのシナジー効果を狙う。さらに、今後も周辺分野へ展開することで、バイオ医薬品精製のトータル・ソリューション・プロバイダーを目指す。
市場の成長著しいバイオ医薬品の製造では、精製工程でバッチ方式による生産が主流となっているが、需要変動に対する柔軟性や生産性に優れたプロセスの構築が課題となっている。その解決策として注目されている技術の一つが、従来方式と比べて高生産性で低コストといった特長を持つ連続クロマトグラフィー方式である。 また、医薬品製造の連続プロセス化を米国食品医薬品局(FDA)がメーカーに推奨していることから、今後、従来方式に代わり、主要な技術・市場に成長することが見込まれている。
なお、連続クロマトグラフィーとは、複数のカラムを組み合わせ、試料・溶離液・洗浄液等の流れをバルブ操作で自動制御することにより、吸着・溶出・カラム洗浄などのプロセスを、並行して連続的に行う液体クロマトグラフィー手法のこと。
2019年1月9日
経済環境追い風に好調、次期中計が実力の試金石に
━今年度は中期経営計画(2016-18年度)の最終年度です。昨年はどのような年でしたか。
2016年度から現在の中計を始め、数値目標とした売上高と営業利益を初年度で達成し、最終年度の今期も達成できる見込みです。
そういう意味ではこの3年間は良かったと言えます。
スペシャリティはやや下回るものの、コモディティについては経済環境の変化によって、利益が計画を上回りました。
つまり、当初想定した数字が甘かったのではなく、経済環境が良かったということです。
利益面で最も良かったのはウレタンです。他社でトラブルが起きたり、立ち上げが遅れたりで、需給バランスがタイトになり、市況が高値で推移したことが大きいですね。逆に、当社ではプラントトラブルなどがありませんでした。
当初目標に掲げたうち、スペシャリティとコモディティの利益を50対50にすることと、M&Aの実施が未達だったということはありますけれど、投資計画を予定通りに行え、財務体質が強化できたことは大きな成果です。
━石化市況が下がり始めていますが、この先は。
不透明だと思います。米中の貿易摩擦がどういう形で決着するのか見通せないことに加え、原油価格の動向や英国のEU離脱といった問題があるからです。鉄鋼とアルミに続き自動車が追加関税の対象になると、化学産業も含めて広く影響を受けると考えています。
━そうした中で、今後の事業戦略でのキーワードは。
「成長」です。成長するには、今の中計でも重点目標として挙げている3分野「環境・エネルギー」「ライフサイエンス」「電子材料」を伸ばしていく必要があります。
コモディティはフル生産で動いていますから、能力増強をしない限り成長性が望めません。そこで、基盤強化を図りながら、能力増強も検討していく方針です。
スペシャリティについては、引き続きオープンイノベーションを含めた研究開発に力を入れ、チャンスがあれば能力増強も行っていきたいと考えています。
━自社の強みをどう見ていますか。
ビニル・イソシアネート・チェーンで効率的な生産・販売体制を構築していることです。機能製品では、それぞれ特徴を生かした製品開発ができており、特にセラミックスではデファクトスタンダードの製品が育っています。
そうは言っても、競争相手が市場参入してきていますから、いかに差別化するかが課題です。成長のための原動力は差別化なので、これを引き続き追求していく必要があると思っています。
━化学メーカーがティア1やティア2を買収して、市場のニーズを掴むような動きが見られますが、どう考えますか。
餅は餅屋と言いますが、当社としては
2018年12月25日
東ソーはこのほど、最新の研究開発成果を紹介する「東ソー研究・技術報告」第62巻を発刊した。
有機合成化学協会の企業冠賞「東ソー・環境エネルギー賞」を受賞した京都大学の藤田健一教授、ゼオライト研究の権威である広島大学の佐野庸治教授が寄稿した総合報文(2編)のほか、研究開発部門による報文(11編)、技術資料(6編)を収録している。
また、同社は研究開発を行うにあたり、持続可能な開発目標(SDGs)の考え方を取り入れ、サステナブルな社会を目指し開発を進めている。報文・技術資料の製品・開発品がSDGsのどのゴールを目指しているかを分かりやすく整理すると同時に、ロゴを付与した。
主な収録タイトルは巻頭言「世界一革新的な研究・技術開発力の創出に向けて」(田代克志専務執行役員)、総合報文「有機分子の触媒的脱水素化を基軸とする効率的有機合成ならびに水素貯蔵・水素製造」(藤田教授)、「ゼオライト水熱転換法による高耐久性ゼオライトの合成およびNH3‐SCR触媒への応用」(佐野教授)、報文「新規卵巣明細胞癌マーカーTFPI2の臨床的有用性」「非天然型立体構造抗体検出技術の開発」「エチレンのオキシ塩素化触媒における劣化要因の解析と寿命予測への利用」など。
同誌は1957年の創刊以来、同社グループの研究所や技術センターなどの研究開発部門によるテクニカルレポートとして、報文や技術資料、投稿論文要旨、講演リスト、特許情報、製品紹介など多岐にわたる内容を掲載してきた。
最新巻とバックナンバーは、同社のホームページで閲覧することができる。
2018年12月11日
2018年11月5日
2018年11月2日