【バイオプラ特集・インタビュー】東洋スチレン

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2019年11月8日

常務執行役員技術本部長 和田福明氏 / 管理本部長  藤沢一秋氏

バイオポリスチレンで環境貢献、次世代製品にも注力

━プラスチックの資源化が課題となっています。

 和田 プラスチックは「割れなくて強い」という特長を生かして日常生活の中で役立ってきた。廃プラが海洋に流出することで、逆にその特長が海洋プラごみ問題を引き起こしてしまっている状況だ。

トーヨーエネライツBMの用途例
バイオポリスチレンの用途例

 化学業界では「海洋プラスチック問題対応協議会(JaIME)」が日化協を中心に設立されるなど取り組みが始まっており、その動向を注視している。これまで、プラスチックはワンウェイ(使い捨て)を前提とした事業フローとなっていた。

 しかし海洋プラごみ問題を契機に、プラスチックを循環可能なリサイクル資源にしていく気運が世界中で高まってきている。企業だけでなく一般消費者も、プラスチックを循環型社会の中で考えていく必要があるだろう。

━ポリスチレン(PS)はリサイクルが進んでいます。

 藤沢 PSの再生市場はモノがないくらい引き合いが強くなっており、顧客からの要望があっても、回収されたPSを確保することが難しい状況だ。回収しきれないPSをどうやってマテリアルリサイクル(MR)に組み込んでいくかが大きな課題となっている。

 和田 再生品は品質面で課題があるが、当社はバージン品と混ぜるなどの加工を行い、顧客はそれを用いた製品設計を進めるなど、用途開発が加速しているところだ。その一つの例としてコピー機のトナーカートリッジがあるが、回収品に不足分を加えることで再生品として成立している。

 同様に、テレビのバックカバーなど家電リサイクル法でシステムの整備が進んでいる分野もある。ただ、それ以外の分野で、樹脂メーカーとしてどれだけ責任を持って取り組めるかが長期的なテーマとなってくるだろう。

━そうした中、技術本部内に環境対策推進室を立ち上げました。

 藤沢 企業においても環境問題への対応が求められてきている。これまで、環境省や経済産業省など行政の動きを注視するなど情報収集を行ってきたが、10月1日に技術本部内に環境対策推進室を立ち上げた。

 PSケミカルリサイクル(CR)技術やバイオ製品の

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東洋スチレン 人事(10月1日)

2019年10月3日

[東洋スチレン・人事](10月1日)▽執行役員営業副本部長兼技術本部環境対策推進室室長樋口裕▽同本部同室部長藤田昌也▽同本部担当部長兼同室担当部長中里昌義▽営業本部開発部長友沢一樹。

東洋スチレン バイオマスプラを上市、CO2排出量を削減

2019年6月24日

 東洋スチレンは環境負荷低減型プラスチックとして「トーヨーエネライツ」を上市した。

 同製品はポリスチレンとポリ乳酸のアロイ樹脂で、ポリ乳酸を約30%含有し、カーボンニュートラルに貢献できるバイオマスプラスチック。耐油性・耐薬品性に優れ、電子レンジにも使用できる。非可食植物由来のポリ乳酸を使用し、CO2排出量を削減する。

 すでにバイオマスプラスチックの登録を取得しており、ポリオレフィン等衛生協議会のポジティブリストにも登録済みだ。射出用・シート用をそろえ、食品包装分野をはじめさまざまな用途分野に展開が可能。

 同社はこの樹脂の用途拡大により、環境問題対策に貢献していく。

 

東洋スチレン ポリスチレン樹脂を7月1日納入分から値上げ

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2019年6月10日

 東洋スチレンは7日、ポリスチレン樹脂とポリスチレン難燃樹脂「トーヨースチロール」を、7月1日出荷分から値上げすることについて、需要家と交渉に入ったと発表した。

 値上げ幅はGPグレードとHIグレードが7円/kg以上、難燃グレードは17円/kg以上。

 4月以降、原油・ナフサ・ベンゼンと、主原料であるスチレンモノマーが値上がりし、難燃剤価格についても上昇傾向が継続、諸経費も高騰している。

 同社では引き続きコスト低減に取り組んでいるが、これらの価格上昇は自助努力をはるかに超えるもので、安定供給と事業継続を図るためには、適正な価格体系の確立が不可欠であることから、価格改定を実施することにした。