VEC 斉藤新会長「状況変化に機敏に対応していく」

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2020年5月21日

 塩ビ工業・環境協会(VEC)は19日、書面審議による第23回通常総会を開催し、横田浩会長(トクヤマ社長)の任期満了による退任に伴い、新会長に斉藤恭彦氏(さいとう・やすひこ:信越化学工業社長)を、副会長に桒田守氏(くわだ・まもる:東ソー上席執行役員)を選任した。

 斉藤新会長は就任にあたり挨拶文を寄せ、「現在、私たちは新型コロナウイルスとの戦い、それに伴う世界経済のマイナス成長といった危機に直面している。こうした中で当協会の活動も、状況変化への機敏な対応が求められている」との考えを示した上で、「常に世界の情勢や塩ビの需要動向、環境課題を見据え、重点課題の解決に取り組むとともに、海外の塩ビ協会との連携もさらに深めていく。また、塩ビのリサイクルをさらに推進し、廃プラスチック問題に取り組む業界団体の支援にも努めていく」との方針を明らかにした。

 同協会は1998年5月に発足。塩化ビニルに対する正しい理解を広め、塩化ビニル工業の健全な発展への寄与を目指してきた。斉藤新会長はその経緯と活動に触れ、「金川千尋初代会長(現・信越化学工業会長)は取り組むべき重点課題を絞り込み、会員各社の英知と力を結集し、当時蔓延していた塩ビに対する誤解を払拭された。さらに歴代会長の皆さまは折々の課題に献身的に取り組まれてきた」と、数々の功績に敬意を表した。

 耐久性・加工性・経済性を利点とする塩ビ樹脂は、環境配慮に優れた特長を兼ね備え、持続可能な開発目標(SDGs)の課題解決への貢献度も高い。同協会が長年普及に取り組んできた「樹脂サッシ」は、その断熱性から家屋の省エネ化を促進し温暖化ガスの排出量削減に大きく寄与している。塩ビ管は安全で衛生的な水を供給し、塩ビの被覆材は様々なワイヤーに提供され、電気・通信のインフラ整備や電気製品に欠かせないなど、塩ビは今や、快適な生活や持続可能な社会の基盤を支える素材として多大な役割を担っている。

 斉藤新会長は「塩ビという優れた素材に、明るい将来を確信している」との強い信念の下、経済産業省をはじめとした関係各機関、会員各社との連携を図りながら、塩ビ工業のより一層の発展に向けて旗を振る。