【バイオプラ特集・各社の動向】クラレ 

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2019年11月8日

植物由来ガスバリア材「PLANTIC」を展開

 クラレはガスバリア材のラインナップの1つとして、バイオマス由来の「PLANTIC」を展開している。

 同社にはプラスチックの中で最高レベルのガスバリア性を持つEVOH樹脂「エバール」がある。「エバール」は優れたガスバリア性により内容物の劣化を防ぐことから、食品包装用途を中心に幅広く使われており、世界シェアで約65%(同社推定)を占める。「PLANTIC」はそのバリエーションで、エバールに近いガスバリア性に、生分解性を併せ持たせた。

 「PLANTIC」はオーストラリアの産学連携研究により開発されたでんぷん由来の生分解樹脂であり、同国のPLANTIC社が2003年に商業化した。2009年にハイバリア包材を商業化したことで、2011年に同国の大手スーパーマーケットに採用され、食肉包装用にPETと組み合わせたトレーとして使われている。

 クラレは2014年に日本と韓国で「PLANTIC」フィルムを販売する代理店契約を結び、翌年、PLANTIC社の全株式を取得して傘下に収めた。

 「PLANTIC」の環境性については、単層HPグレードがTUV Austriaの生分解性認定(活性汚泥中・土壌)、コンポスト性認定(工業・家庭)、バイオマス認定を受けている。また、PETと「PLANTIC」を組み合わせた多層フィルムのトレーは、PETの再生工程中に「PLANTIC」層が溶出し影響を与えないことから、リサイクル容器として認定されている。

 一方、日本では多層フィルムが日本有機資源協会のバイオマスマーク製品に認定されており、「PLANTIC」の焼却で発生するCO2は、日本のCO2発生量から除外される。現在、「PLANTIC」フィルムはPLANTIC社で製造され、国内外に供給している。

米社に樹脂を供給

 米州でも、これまでグローバルに食品包装材料を供給する米シールドエアー社と、米国・カナダ・メキシコでの食肉・魚介類などの生鮮食品に使用する「PLANTIC」製食品包装用フィルムの販売代理店契約を結んでいた。

 このほど、さらに事業を進展させることになり、クラレの100%間接出資子会社であるクラレアメリカとシールドエアー社との間で樹脂供給契約を結び、樹脂をシールドエアー社に供給し、同社がフィルムに加工することになった。

 樹脂についてはクラレが

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