【バイオプラ特集】化学産業 プラスチック代替への動きに対応が急務

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2019年11月8日

産官挙げてバイオプラ普及に注力、環境問題に貢献

 日本の化学産業が技術開発を進めてきたプラスチックは、機能性を高めたことでフードロス軽減や自動車の軽量化など社会に新しい価値を提供し、社会問題解決に貢献してきた。

 しかし、アジア地域の新興国では使い捨てたプラスチックが河川から海洋に流出し、海洋プラごみや、マイクロプラ問題といった環境汚染が深刻化している。また、先進国が輸出してきた廃プラも、中国やASEAN各国が受け入れを拒否する動きが強まっている。こうした中、廃プラ問題の1つの解として、バイオプラスチックが注目を集めている。

 バイオプラには、植物原料の「バイオマスプラスチック」と、ある一定の条件の下で分解し、最終的には二酸化炭素と水にまで変化する「生分解性プラスチック」がある。すでに大手食品メーカーや外食チェーンなどでは採用が進んでおり、今後ますますニーズが高まると予想される。

 今回の異業種特集ではバイオプラについて、省庁や業界団体の取り組み、バイオ素材に注力する化学メーカーの研究開発や市場開拓、また今後の戦略や課題などについて聞いた。

ダウ 海洋プラごみ削減を推進しAEPWで主導的な役割

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2019年1月23日

 ダウは、環境、特に海洋におけるプラスチックごみを削減するための解決策の推進を目的に構築された、世界各国の企業による新たなアライアンスである「Alliance to End Plastic Waste(AEPW:プラスチック廃棄物を除去するためのアライアンス)」において、創設メンバーとなり主導的な役割を果たしている。

 AEPWは、プラごみの処分方法を開発するとともに、プラ再利用の解決策を促進するために10億ドル以上を調達して新たに設立された非営利組織であり、今後5年間でさらに15億ドルまで基金を増額することを目標にしている。

 AEPWは、化学・プラスチック企業、消費財企業、小売企業、コンバーター企業、廃棄物処理企業を含むプラスチックおよび消費財のバリューチェーンに関わる世界中(南北アメリカ、ヨーロッパ、アジア、アフリカ、中東地域)のグローバル企業や組織など約30社で構成。また、「The World Business Council for Sustainable Development(持続可能な開発のための世界経済人会議)」と戦略的パートナーシップを締結している。

 AEPWは、①廃棄物の処理収集およびリサイクル向上のためのインフラ開発②プラ回収とリサイクルを容易にし、すべての使用済みプラから価値を生み出す新しい技術を進展させ、スケールアップするためのイノベーション③政府、企業、地域社会が行動を起こし、参画することを目的とする教育とエンゲージメント④地上のプラごみが海洋に流出する河川など、特にごみの主要水路となるような環境のうち、すでにプラごみが集中している場所の清掃の4つの分野に投資を行い、発展を促進する。

 ジム・フィッタリングCEOは、「世界的に重要なこのような課題を解決するためには、多様なステークホルダーが集まるグループによる多様な解決策が求められる。AEPWは、世界で最も革新的なアイデアを集結させることにより、解決策を探求、開発、実行することが可能になるだろう」と述べている。