カネカはこのほど、特殊樹脂製潜熱蓄熱材を使った、シート状の潜熱蓄熱建材「パッサーモ シート」を開発し、販売を開始した。住宅の省エネルギーや快適性向上に対するニーズは増加し、潜熱蓄熱建材への注目度も高まっている。
同社は、押出法ポリスチレンフォーム断熱材「カネライトフォーム」の製品改良や使用法の提案などを継続して実施しているが、今回、潜熱蓄熱建材「パッサーモ シート」をラインアップに加え、省エネと快適な暮らしへのソリューション提供を強化していく。
夏場は、日中の屋根面の表面温度は外気温に比べ非常に高温になり、室内温度の上昇につながることや、一度室内空間に入った熱は夜間も逃げにくいなどの課題があった。同社は3年間にわたり、大学や地域工務店の協力を得て夏期日中のピークカットに着目して効果的な潜熱蓄熱建材の使用法の検証を進めてきた。
同シートは、特殊樹脂製潜熱蓄熱材を使用し、厚さ約1㎜のシート状に押出成形した潜熱蓄熱建材。屋根部に同シートと押出法ポリスチレンフォーム断熱材などを組み合わせて使用することで、屋外からの熱を同シートが蓄熱し熱の流入を抑え、夏期日中の日射ピーク時の室内への熱流入を削減する。加えて、夜間には蓄熱した熱を屋外に排熱することで、1日を通して冷房負荷を軽減し、省エネに貢献する。