帝人ファーマはこのほど、仏イプセンから導入している先端巨大症および下垂体性巨人症、膵・消化管神経内分泌腫瘍治療剤「ソマチュリン皮下注60㎎、90㎎、120㎎」について、厚生労働省より、「甲状腺刺激ホルモン(TSH)産生下垂体腫瘍」の効能または効果の追加承認を取得したと発表した。
TSH産生下垂体腫瘍は、脳の下垂体にできる良性の腫瘍の一種で、日本国内の患者数は135人ほどの希少疾患。治療としては、腫瘍切除術が第1選択とされているが、手術が困難な場合や、手術後に腫瘍が残った場合には薬物治療や放射線治療が必要となり、また、手術前には甲状腺ホルモンの増加を抑えることも求められる。欧州では薬物治療として、ソマトスタチンアナログ製剤の使用が推奨されているが、日本国内には適応症をもつ医薬品がなかった。
こうした中、同社は厚生労働省より要請を受け、同剤の適応症を取得するために開発を行ってきた。今回の効能または効果の追加承認取得により、同剤は、TSH産生下垂体腫瘍の適応症をもつ日本で初めての医薬品となる。なお、「ソマチュリン皮下注」と同じランレオチド酢酸塩を主薬とする製剤は、英国、仏国を含む30の国と地域で、TSH産生下垂体腫瘍に対する適応が承認されている。
帝人ファーマは、今後も新規創薬研究のみならず、適応拡大にも注力し、希少疾病を含むアンメットニーズの高い疾患に新たな治療選択肢を提供することで、患者のQOL向上に貢献していく。