BASFはこのほど、高耐候安定剤「Tinuvin(チヌビン)」が、スイコー(兵庫県尼崎市)の直鎖状低密度ポリエチレン(L-LDPE)製滑り台に採用されたと発表した。
回転成型により製造したこの滑り台は、帯電防止性能を備え、安全性と耐久性が向上し、炎天下でも変色しない。L-LDPE製の滑り台は本来、紫外線劣化を起こしやすく、変色や物性低下が生じる。この課題を解決するため、製造工程でポリマー樹脂に「チヌビン」を添加することで、滑り台の色を明るいまま保持することが可能になった。
スイコーの強みは回転成形技術で、成形体外表面の紫外線劣化を診断する技術ももつ。この紫外線劣化診断技術により、滑り台の適切な交換時期を推奨でき、遊具の安全性がより向上する。
公園遊具にはさまざまな素材が使用されているが、金属製の滑り台は夏場に高温となるため、理想的な素材とは言えない。また、繊維強化プラスチック(FRP)製や鉄製の滑り台は、定期的に再塗装することが必要で、亀裂を予測することが困難だ。
一方、L-LDPE製の滑り台はメンテナンスが容易な上、単一材料のプラスチックとしてリサイクルも可能なので、ニーズが増加している。