帝人はこのほど、健康や睡眠に関するサービス拡充のため、オンライン健康支援やコンサルティング事業を行うリンケージ(東京都中央区)と業務提携すると発表した。リンケージが提供する特定保健指導の利用者に対し、帝人が展開する睡眠チェックサービス「スリープチェック」の提供を開始する。
「スリープチェック」は、帝人グループが展開する「Sleep Styles 睡眠力向上プログラム」をカスタマイズしたサービスで、対象者への10分間程度のアンケートの結果から個人の睡眠タイプを分析し、それぞれのタイプに応じて睡眠力向上のためのアドバイスをフィードバックするもの。
事業背景には、睡眠トラブルの実態がある。厚生労働省の「国民健康・栄養調査(平成29年)」によると、「ここ1カ月間、睡眠で休養が十分に取れていない者の割合」は20.2%にも及ぶ。平成21年からの推移を見ると、有意に増加している状況にあることから、「健康日本21(第2次)」に掲げている目標値15%を達成するためには、早急な対策が必要となっている。
こうした中、リンケージは、医療機関と医師・保健師・看護師・管理栄養士などの豊富なネットワークを活用して、健康保険組合などに対し、ICTの活用を軸とした特定保健指導や禁煙、高血圧や高血糖をはじめとした重症化予防などのサービスを提供している。
一方、帝人グループは、睡眠時無呼吸症候群(SAS)治療装置のレンタル事業からウェアラブルデバイスの販売に至るまで、幅広い領域で睡眠関連のソリューションを提供。その中で、これまでに培ってきたノウハウや保有する様々なツールを活用したサービスとして、昨年4月から健康経営を支援する「Sleep Styles 睡眠力向上プログラム」の提供を始めた。
両社は、今後もさらに提携強化を図ることで、睡眠に関わるリスクの改善をサポートするとともに、健康保険組合の保健事業と企業の健康経営に寄与していく。