石油化学工業協会が20日に発表した主要石化製品18品目生産実績によると、7月のエチレン生産は前年同月比3.0%減の50万900tだった。稼働プラントの平均稼働率は93.8%と前月(92.2%)から1.6ポイント上昇し、好不調の節目となる90%台を2カ月連続で上回った。定修は、昨年の1プラントに対し、今年は3プラントで行われている。
エチレン以外の品目についても
2020年8月21日
2020年7月27日
2020年7月27日
2020年7月6日
コロナ禍での安定供給、新常態への対応も課題に
石油化学工業協会は、定時総会において選任された和賀昌之新会長(三菱ケミカル社長)を中心とする新体制がスタート。コロナ禍で先行き不透明感が強まる中、3つの重点項目である①保安・安全の確保、②事業環境の基盤整備、③グローバル化対応の強化に引き続き取り組み、石化産業と社会の持続的成長を目指していく方針だ。なお、副会長には、住友化学の岩田圭一社長、出光興産の松下敬副社長、東ソーの山本寿宣社長の3名が選任されている。
2日に開催されたオンラインによる就任会見の中で和賀新会長は、「足元の世界経済は、新型コロナの感染拡大により深刻な影響を受け急速に悪化している。各国で段階的に経済活動の再開が進められているが、
2020年6月19日
2020年6月19日
2020年6月11日
2020年5月25日
2020年5月22日
石油化学工業協会は21日、今年で2年間の任期満了を迎える森川宏平会長(昭和電工社長)の退任に向けた挨拶文を発表した。
初めに、協会が取り組む3つの重要課題について振り返った。①「保安・安全の確保」では、経営層の強い関与を重要視し、保安に関するトップ懇談会、事業所長の保安に関する意見交換会を実施。安全文化の醸成では、保安推進会議・保安表彰式、保安研究会、産業安全塾などの開催により、情報や教訓の共有化、危険に対する感性の向上、人材育成支援などを進めた。
スマート化に向けた取り組みでは、IoT、AIなどの最新技術について会員各社向け勉強会や官民協同テーマ検討などに注力。森川会長は「新技術は今後さらに導入が進むと思われ、保安の向上、操業の安定化に寄与することを期待している」とし、「会員各社のプラントにおいては、幸いにして、死傷者を伴う重大保安事故の発生は無く、今後もこのような状況の継続と軽微な事故件数の低減を望む」と強調した。
②「事業環境の基盤整備」では、わが国石化産業が国際競争に打ち勝ち、持続的に発展していくために、税制改正や規制改革の実現に取り組んだ。第3次石環検の答申を受け、昨年12月に「今後の定期修理の在り方に関する報告書」をまとめている。
③「グローバル化対応の推進」では、アジア石油化学産業会議(APIC)に協力参加。また、中国石油・化学工業連合会(CPCIF)、日化協との共催で日中化学産業会議を毎年開催した。「交流を通して、同国の石化産業への取り組みの真剣さと技術的進化を肌で感じた。経済成長のみならず環境に対する意識の大きな変貌を目の当たりにし驚かされた」と感想を述べた。
最後に森川会長は、「米中貿易摩擦の激化、原油・中東情勢など国際情勢も不確実性を増している状況だ。わが国経済は、コロナ禍の影響により、厳しい局面に直面している。今後、石化製品の需要は、一部分野で堅調さが見られるが、国内自動車生産の本格的な減産が実施されるなど、工業用途向分野のさらなる低下が見込まれる。新型コロナウイルス対応の特別措置法に基づく『緊急事態宣言』が徐々に解除されるとともに、国内経済活動が再開していくことが期待されるが、依然、第2波リスクは残るなど、新型コロナウイルスとの共存が求められる時期がしばらく続くことが予想される」と懸念を示した。
そして「このような状況にある中、安全で安定した国民生活を支えるためにも石化業界における製品の安定供給は引き続き極めて重要だ」と訴えた。
なお、次期会長には、三菱ケミカルの和賀昌之社長が推薦され、7月2日に開催予定の定時総会で選出される予定となっている。
2020年4月24日