デンカと明星セメント(新潟県糸魚川市)はこのほど、糸魚川市青海(おうみ)地区内での次期石灰石鉱山の開発計画を共同で進めていくと発表した。両社は現在、デンカは青海鉱山で、明星セメントは田海(とうみ)鉱山でそれぞれ石灰石採掘事業を行っている。
近年産業の国際競争が激化する中、同地で共存共栄しながらさらに発展していくためには、両社で石灰石の共同採掘体制を構築することが不可欠と判断し、今回、共同での開発計画の推進を決定した。
開発予定地は黒姫山の南側斜面一帯を想定。開発に当たっては、環境保護・保全を進めながら企業活動を継続していくことが社会的使命であると捉えており、すでに環境影響評価に着手している。
また、糸魚川市は「ユネスコ世界ジオパーク」に認定されていることから、開発計画に関しては産業の維持と環境保護の両面から検討する必要があるとの認識の下、今後糸魚川市へは審議を要請していく考えだ。
鉱山開発は準備や調査項目が多岐にわたり、計画には長期の時間と多額の費用を要することから、出鉱開始はおおむね9年後の2029年頃を目標に進めていく。