三菱ガス化学など 福島天然ガス発電所の営業運転を開始

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2020年5月27日

 三菱ガス化学はこのほど、同社が9%出資し事業パートナーとして参画している福島ガス発電(FGP)が、相馬港4号埠頭(福島県相馬郡)で建設を進めていた福島天然ガス発電所1号発電設備(1号機)について、先月30日に営業運転を開始したと発表した。

1号機外観 (現地写真:2020年4月現在)
1号機外観 (現地写真:2020年4月現在)

 2016年に、FGPとFGPへ出資する事業パートナー5社(三菱ガス化学、石油資源開発〈JAPEX〉、三井物産、大阪ガス、北海道電力)は、トーリング方式による相馬港天然ガス発電事業の推進と、その事業基盤となるLNG発電所(出力59万㎾×2基)の建設を決定。1号機が昨年12月から発電を開始し、電気事業法で定められた使用前自主検査にすべて合格したことから、先月30日からの営業運転に至った。

 トーリング方式とは、パートナー各社が各々調達した燃料を、FGPが電気に変えて相当量の電力を各社に返し、各社が独自に販売する、電力自由化に即した方式。同発電所は、低廉で環境負荷の小さい電力の安定供給を目指している。

 燃料には化石燃料の中で最も温室効果ガス(GHG)や大気汚染の原因物質(SOx、NOxなど)の排出が少ないLNGを気化したガスを使用し、発電効率の高いガスタービン・コンバインドサイクル方式(燃焼ガスタービンと排熱蒸気タービンを併用)を採用した。さらに、最新の要素技術を加えることにより、現時点で世界最高クラスとなる約61%の発電効率を実現している。

 なお、2号機は今夏の営業運転開始を目指し、現在は試運転中。また、2期工事となる、隣接するJAPEX相馬LNG基地敷地内への23万kl級地上式LNGタンクは今夏に操業を開始する予定で、LNG気化設備増設分は先月に操業を開始した。これら設備の操業開始後の運用を含めた管理、事業パートナー5社が持ち込むLNGの貯蔵と気化、気化したガスの同発電所への送出などの業務は、FGPからJAPEXに委託している。

 同社を含む事業パートナー5社とFGPは、電力全面自由化やGHG排出量削減などの市場環境の変化を踏まえた、低廉で環境負荷の小さい電力の安定供給を目指し、引き続き同事業を推進する考えだ。