UBEは13日、電動車(xEV)向けの軸受・基板用途を中心とする窒化珪素の需要に対応するため、宇部ケミカル工場内の製造設備を増設すると発表した。2025年度下期の稼働を予定しており、生産能力は現行比で約1.5倍に拡大する。
同社の窒化珪素は、独自の
2023年7月14日
2020年11月6日
デンカは5日、xEV向け放熱材料の事業強化の一環として、大牟田工場(福岡県)で製造する窒化珪素の能力を現行比から約3割増強すると発表した。稼働時期は2022年度下期を予定しており、機能性セラミックス事業の強化を目指す。
窒化珪素とは熱的・機械的特性に優れた代表的なエンジニアリングセラミックの1つであり、同社は生産能力、市場シェア共にトップクラスを誇っている。xEVの普及に伴い、放熱材料市場の伸長だけでなく、車載部品の高性能化により、高熱伝導性や高信頼性など、その要求水準が飛躍的に高まっている。同社の窒化珪素は、高熱伝導性をはじめ高強度、耐摩耗性、高信頼性といった特長から、車載駆動用インバーター向け放熱基板や風力発電向けベアリングボール、半導体製造装置など構造材用途で高い評価を得ている。今回の能力増強により、安定供給体制をさらに強化するとともに、多様なユーザーニーズに答えていく。
同社は経営計画に基づく成長戦略の一環として、5G・xEVを中心とした環境・エネルギー分野に注力。1915年の創業以来培ってきた無機材料の高温焼成・窒化反応・粒径制御などの基盤技術をもとに、球状溶融シリカ、窒化ホウ素、球状アルミナ、蛍光体など多岐にわたる機能性セラミックスを提供するトップメーカーとして、先月市場に投入した球状マグネシアのほか、新たな素材の開発にも積極的に取り組んでいる。また、今後需要の増加が見込まれるLIB向け超高純度アセチレンブラックの安定供給に努めるとともに、5G用途のLCPフィルムや低誘電絶縁材料(LDM)など、機能性セラミックス以外の新素材開発も進め、環境・エネルギー分野の2022年度の営業利益200億円達成を目指す。
同社はSDGsを羅針盤に、通信速度の高速化や電気自動車の性能向上に向け5G・xEV用途を広げ、スペシャリティー事業の成長を加速させていく方針だ。