AGCはこのほど、低環境負荷型HFO(ハイドロフルオロオレフィン)「AMOLEA」が、その優れた環境技術を認められ、新化学技術推進協会の第19回「Green & Sustainable Chemistry(GSC)賞環境大臣賞」を受賞したと発表した。
GSC賞とは、GSC(人と環境にやさしく、持続可能な社会の発展)を支える化学の推進に貢献する優れた業績が表彰されるもの。中でも環境大臣賞は、総合的な環境負荷低減に著しく貢献したものが選定される。
オゾン層破壊問題を背景に、フロンガスに代わり使用が拡大しているHFC(ハイドロフルオロカーボン)による地球温暖化が新たな問題となっており、従来の性能を維持しながら環境負荷の小さい代替品の開発が求められている。
同社の「AMOLEA」は、冷媒や溶剤としての性能はそのままに、地球温暖化係数を大幅に低減することをコンセプトに開発された次世代冷媒・溶剤ブランド。現在は用途ごとに3つの製品を展開しており、今後さらに拡張していく予定だ。
いずれも大気中で容易に分解するHFOを選定しているため、従来の安全性などの優れた性能を維持しながら、地球温暖化係数を大幅に低減することができる。例えば冷媒、発泡剤用途では、従来製品から「AMOLEA」製品への代替でLCAが10分の1程度に低減可能となり、温室効果ガス排出量削減効果は、CO2換算で年間1000万t規模に相当する。同製品への転換により、大きな環境負荷低減が期待できることから、今回の受賞に至った。
同社グループは今後も、長年培ったフッ素化学の技術力を生かし、環境負荷低減に貢献する製品を開発・提供し続けていく方針だ。