帝人ファーマはこのほど、開発医薬品(開発コード:「TMX‐049」)が、米国で実施している第Ⅱ相臨床試験(TMX‐049DN‐201試験)の有効性に関して、主要評価項目を達成したと発表した。
この医薬品は2型糖尿病の糖尿病性腎臓病を対象疾患として開発を進めている。糖尿病性腎臓病は糖尿病を合併して発症する進行性の慢性腎臓病。症状が進行して末期腎不全になると、透析や腎移植などの治療が必要となり、透析導入の原因疾患として最も多いことが報告されている。
透析が導入されると、患者のQOLが著しく低下するだけでなく、医療費の社会的負担が大きくなる。このため、糖尿病性腎臓病をはじめとする慢性腎臓病を改善し、末期腎不全への移行を抑制する治療に対するニーズが高まっている。
「TMX‐049」は帝人ファーマが創製した、新規非プリン型キサンチンオキシダーゼ阻害薬で、生体内でキサンチンオキシダーゼという酵素に対して選択的に阻害活性を示すことにより、尿酸生成を強力に抑制するのが特徴。今回の第Ⅱ相臨床試験は、アルブミン尿を有する2型糖尿病患者を対象とした、プラセボ対照無作為化二重盲検比較試験である。
「TMX‐049」を1日1回、12週間反復経口投与した時の安全性と有効性を評価している。主要評価項目は腎障害の指標である尿アルブミン/クレアチニン比の変化量(対数変換値)とした。
その結果、同剤にプラセボと比較して、統計学的に有意な改善が認められ、主要評価項目を達成した。また、同剤の安全性について新たな懸念は認められなかった。帝人ファーマでは、「TMX‐049」が新規の糖尿病性腎臓病治療薬として、慢性腎臓病の患者の治療とQOL向上に貢献することを目指し、早期上市に向けて今後も開発を進めていく。