ランクセスはこのほど、経営委員会の変動報酬のおよそ3分の1を持続可能性に関する業績に連動させる制度を導入したと発表した。同社は2040年までにクライメイト・ニュートラル(気候中立)を達成するという目標を掲げており、持続可能性に関する取り組みを社内に根付かせる一環として、気候保護と労働安全衛生分野の実績が今年の報酬制度に反映される。
現在、短期変動報酬の80%は業績、残りの20%は休業災害で評価した労働安全衛生によって決定されている。また、長期変動報酬の約60%はMSCIワールド・ケミカル・インデックスに連動した同社の株価実績に、約40%が温室効果ガス排出量の削減実績に基づいている。
同社は経営委員会メンバーにも直接、持続可能性に関するテーマを割り当てており、気候保護とエネルギー、労働安全衛生、環境保護、製品と循環型バリューチェーン、従業員と企業文化、および持続可能性の目標達成に関する透明性の高い報告が含まれている。新設されたサステナビリティ委員会を通じて、経営委員会のメンバー全員が主要なサステナビリティ・プロジェクトに関する共同決定を下すことになる。
同社のマティアス・ツァハトCEOは「当社は企業責任を十分認識するがゆえ、持続可能性を行動指針としている。それは同時に顧客や人材、さらに資本市場での競争優位性も高める。この報酬制度や仕組みにより、企業内の持続可能性は一層強固なものになる」と述べている。