ダウとラルフローレンはこのほど、ダウが開発したカチオン性イオン綿繊維処理技術繊維加工技術「エコファスト ピュア サステナブルテキスタイル トリートメント」を使用した、サステナブルで効果的な綿の染色方法を説明する詳細なマニュアルを発表した。
これにより、両社は新しい革新的な染色プロセスをオープンソース化し、繊維業界での採用を促進するとともに、環境へプラスの影響をもたらすサステナブルで効率的な綿繊維染色システムの標準化を支援する。
マニュアルでは、プロセスを段階ごとに説明し、「エコファスト ピュア」を、既存の染色装置で使用する方法を詳しく紹介している。「エコファスト ピュア」を最初に採用したラルフローレンは、新しいオンデマンド染色プラットフォーム「カラーオンデマンド」の一環として、この技術を綿繊維染色工程で最適化および導入するために、ダウとパートナーを組んだ。
従来の繊維染色プロセスでは、世界の廃水の約20%にあたる数兆リットルの水が毎年必要とされる。「エコファスト ピュア」を使い繊維を前処理することで、色や品質を犠牲にすることなく、処理薬品を最大90%、水を最大50%、塗料を最大50%、エネルギーを最大40%削減できる。
ラルフローレンは今年初め、自社のSCへのオンデマンド染色の組み込みを開始。2020年東京オリンピック・パラリンピック競技大会にいて、米国選手団向けのコレクションの一環として、「エコファスト ピュア」を使用した初めての製品を発表した。
オンデマンド染色は、水不足や綿繊維染色による汚染に取り組むために設計された複数段階のシステムであり、世界初の拡張可能なゼロ廃水の綿繊維染色システムを長期的に実現する、という明確な目標を示すもの。ラルフローレンは、2025年までにオンデマンド染色を使用して、固体綿製品の80%以上を染色することを目指している。