産業用ドローンメーカーのエンルートは、火災現場で近距離撮影が可能な耐火型ドローン「QC730FP」を、NEDOプロジェクトにより世界で初めて開発した。6日に東京・霞が関のNEDO分室で行った記者会見で、瀧川正靖社長は「『消防士の空飛ぶチームメイト』を目指したい」と抱負を述べた。
「QC730FP」は、300℃の高温環境下でも1分間の連続運用が可能。人や従来型のドローンでは近付くことができなかった、火元の上空5~10mまでの近距離空撮により、鮮明で詳細な画像を操縦者に伝送する。これにより、はしご車が入れない狭い道路などの現場確認、ビル・工場内の要救助者の救出ルートの確認、隣接建物などへの延焼状況の把握などに活用できる。撮影では自律航行により操縦者の負担を軽減する。
機体に搭載したカメラで動画を撮影するが、赤外線カメラをオプションで搭載することで、熱源をより詳細に把握することができる。常温下では20分程度の連続運用が可能。耐熱性を300℃としたのは、人間用の防火服の耐火基準が260℃であることを参考にした。
機体やプロペラ部品には、耐火性があり、加工しやすく軽量で、量産可能なチタンなどの素材を採用し、