ユニチカ 耐腐食性のあるポリエステル樹脂接着剤を開発

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2019年8月20日

 ユニチカは19日、銅などの金属とポリエチレンテレフタレート(PET)などの樹脂フィルムに良好な接着性を示すとともに、金属の腐食による接着性の低下を防ぐポリエステル樹脂接着剤を開発したと発表した。

 同開発品の特長は、従来は別工程だった防錆処理と接着層塗工を一度の塗工で同時に行えること。工程簡略化につながるほか、メッキレスで金属の腐食を抑制できる環境にも配慮した製品だ。同社の飽和共重合ポリエステル樹脂「エリーテル」の耐腐食性グレードとして新たにラインアップする。

 近年の急速なエレクトロニクス化により、さまざまな分野で高度な電子機器を搭載するケースが増えている。自動車や通信端末などでは、小型化にも対応できる強力な接着性だけでなく、屋外など過酷な環境で使用するための腐食に対する耐性も求められ、これらの機能が両立できる材料が望まれている。

 こうしたニーズが高まる中、同社の「エリーテル」が長年培ってきた、ポリエステル樹脂設計技術やワニス調合技術、量産製造技術を駆使することで、接着性と耐腐食性を両立する接着剤の開発に成功した。

 優れた接着性をもつ同開発品は、銅やアルミニウム、ステンレス鋼などの金属、PETやポリ塩化ビニル、ポリカーボネートなどの樹脂フィルムに対して良好な接着性を示す。また、優れた耐腐食性も併せ持ち、メッキ処理を施すことなく金属の腐食を抑制することができる環境配慮型製品だ。

 同開発品がもつ特長から、フレキシブルフラットケーブル(FFC)では、PETやポリイミドなどの絶縁被覆樹脂とメッキレス銅線との接着性や耐熱性、フィラー配合性を生かした難燃性が評価され、現在FFCの量産化検討が実施されている。

 同社は今後、耐腐食性と接着性の両方を兼ね備えたさまざまな部材への需要を取り込み、同開発品の売上高を2021年度に1億円まで成長させていく考えだ。