旭化成 米にマーケティング拠点新設、自動車分野を強化

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2019年12月17日

 旭化成は16日、米子会社の旭化成アメリカが北米での自動車分野を中心にさらなるマーケティング活動強化を図るため、ミシガン州ノバイ市にノバイ事務所を開設したと発表した。

ノバイ事務所
ノバイ事務所

 ノバイは、BIG3(ビッグスリー)と呼ばれる米系大手自動車メーカーが本社を構えるデトロイト近郊に位置し、周辺に多くの部品メーカーが所在する。自動車産業の中心地に北米の自動車関連マーケティング機能を集約させることにより、急激に変化するモビリティ分野のニーズに合った製品の提案を行っていくのが狙い。同時に、北米にはモビリティ分野以外にも多くの成長分野があり、それらの分野での新規事業創出を加速していく。

 具体的には、今年4月に旭化成本社に新設したマーケティング&イノベーション本部と連携することで、マーケティング機能をさらに強化していく考えだ。同社は、中期経営計画「Cs+(シーズプラス) for Tomorrow 2021」の中で、マテリアル領域の価値提供注力分野としてモビリティを掲げている。

 北米で同分野に展開するカーシート素材、コンパウンド樹脂、バッテリーセパレーター、電子部品などの製造や販売、顧客に対する技術支援活動などを行っており、大手自動車メーカーに数多く採用実績がある。

 2017年に27品目(現在は35品目)の部材・システムを搭載するコンセプトカー「KXY(アクシー)」を、今年5月には未来の車の快適な車室空間を具現化したコンセプトモック「AKXY POD」をそれぞれ発表し、各種展示会を通じて自動車メーカーや部品メーカーをはじめとする顧客と、未来の自動車・サービスのあり方について議論を進めている。同社は今後も、顧客満足の向上と新たな価値の創造を通じて、北米での事業を積極的に拡大していく。

クラレ 事業部間の横串を強化、自動車用途の拡大図る

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2019年9月17日

 クラレは、グループ一丸となって自動車用途の拡大を図っていく方針だ。先日、自動車用途に関するクラレグループの市場展開について会見を行った。

 同社は自動車用途では、すでにガソリンタンク向けの「エバール」やガラス中間膜のPVBフィルム、エアコンフィルター用の活性炭など20以上のアプリケーションで採用実績を持つ。ただ自動車産業は「100年に一度の変革期」を迎えており、「CASE」や脱化石燃料への転換など新しいトレンドへの対応が大きなテーマとなっている。

 同社は製品・技術の貢献が期待される3つの領域を設定し、用途拡大を推進。①「5G(技術・インフラ)と自動化の進展」のフォーカスエリアでは、センシング材料向けに銅張積層板「ベクスター FCCL」の量産設備導入を決定。次世代コネクタでは、メモリDDR5向けに耐熱性が必要となることから、独自PA系エンプラ「ジェネスタ」の評価が進んでいる。また、ヘッドアップディスプレイの高度化では、安全をキーワードに微細加工技術によりマイクロレンズアレイに注力している。

 ②「電子制御化・EV化」のフォーカスエリアでは、電子制御部品の小型化、熱マネジメントニーズの高まりに応える「ジェネスタ」の採用拡大や、LIB材料の負極材向けにバイオハードカーボン「クラノード」の評価が進む。軽量化ニーズでは、「ジェネスタ」に加え、PVB中間膜「トロシフォル」でガラスの薄膜化を目指している。

 ③「フューエルマネジメント(HV・PHV/FCV)」のフォーカスエリアでは、新たなフューエルマネジメントシステムの提案、ガスバリア性などの特長を生かした燃料電池車(FCV)タンクの提案などを進めている。

 一方、今後の成長に向けた取り組みでは、事業部の横串ワークの強化・推進、外部とのコラボレーションによる「協創」、米国(デトロイト事務所)、欧州、アジア(タイ新工場)の拠点を活用したグローバル展開などに注力。自動車の新たな変化に対応し、いかなる環境下でもサスティナブルなビジネスモデル構築を目指す考えだ。