東ソーは21日、核酸(RNA)を増幅検出する「TRC法」を用いた新型コロナウイルス検出試薬の開発を開始したと発表した。TRC法による検出試薬を用いて、同社製品である自動遺伝子検査装置「TRCReady‐80」で検査することで、新型コロナウイルスを簡便かつ約50分以内に検出することを目指す。
同社のバイオサイエンス事業の一翼を担う遺伝子検査システムは、「小型」「迅速」「簡便」をキーワードに製品開発を推進。TRC法を用いた同社の遺伝子検査システムは、迅速性を要求されるノロウイルスや結核、非結核性抗酸菌症(MAC)、および性感染症の検査に用いられている。
同社は、これまで培ってきた技術や知見を生かして、各種研究機関・公的機関の協力を仰ぎながら早期の開発に取り組んでいく考えだ。
なお、TRC法とは、一定温度でRNAを複写増幅する転写逆転写協奏法と、検出対象の核酸と結合することで蛍光が増強する発蛍光プローブ(INAF プローブ)を組み合わせた方法。
同社のTRC法検査の特徴として、①転写逆転写反応が連続的に進行するため標的核酸の迅速な増幅が可能、②核酸検査(RNA)のため高感度で検出が可能、③内部コントロールを同時に増幅・モニタリングすることによる偽陰性リスクの低減、④核酸精製から核酸増幅・検出の工程を自動化した検査装置による作業の簡便さなどが挙げられる。