AGCはこのほど、艾杰旭汽车玻璃(蘇州)(江蘇省蘇州工業園区)に、大型3D・複雑形状の車載ディスプレイ用カバーガラス生産拠点を建設することを決定したと発表した。
各種光学薄膜コーティングから、装飾印刷、複雑曲面の一体成形に至るまで、最先端技術を導入した一貫生産ラインを備え、すでに受注が決定している複数の車種向けに、2022年に販売を開始する予定。
自動運転・電動化・コネクテッドといった自動車業界を取り巻く大きな変化により、今後、クルマのコックピットは革新的でダイナミックなデザインが採用され、デジタルラウンジ化していくと予想されている。
このトレンドの中、車載ディスプレイ用カバーガラスも大型化・複雑形状化・高機能化していくことが見込まれ、同時に大型化に伴う安全設計も求められる。AGCは、自動車用ガラスのリーディングカンパニーとして60年以上にわたり培ってきた設計ノウハウを活用し、高品質で安全なカバーガラスの提供を実現する。
AGCは、2013年に世界で初めて、車載ディスプレイ用カバーガラスを素板から加工まで一貫生産する体制を整え販売を開始。2017年からは、平面形状に加えて曲面形状のカバーガラスも生産・販売しており、業界トップシェアを誇っている。今回の新拠点設置によって、既存の国内2拠点に加え、第3の生産拠点を保有することとなり、高品質な製品をグローバルに顧客に提供する体制が整うことになる。
さらに、国内の京浜工場内には、新デザイン・高機能に特化した開発センターを設置し、コックピットデザインの変化に柔軟に対応可能な体制を整える。AGCの車載ディスプレイ用カバーガラスは、これまで70車種以上に採用されており、総出荷数は今月で2000万台分を達成する見込み。