住友化学 米国で新規植物生長調整剤の農薬登録を取得

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2021年7月29日

 住友化学は27日、米国において新規植物生長調整剤「アクシード」の農薬登録を取得したと発表した。

 「アクシード」は、同社が「A2020(2020年代の前半に登録申請を開始するパイプライン)におけるバイオラショナルの1つとして開発した植物生長調整剤に分類される摘果剤。効果的な剤の種類が乏しいモモやネクタリンを含む核果樹のほか、リンゴでは栽培初期から後期まで幅広い期間で適用が可能だ。

 同剤を処理すると、有効成分であるACCが植物中で落果を促進する物質(エチレン)へと変換され、収穫時の果実に残らない。また、手作業への依存度が高い摘果作業を代替できるため、栽培の省力化および果実の質の向上につながる。

 同剤の米国での登録は、同社と米国グループ会社による10年以上をかけたバイオラショナルのグローバルな研究開発の集大成。同剤は、100%子会社であるVUSA(米国カリフォルニア州)内にあるSSBU(サステナブル・ソリューション・ビジネスユニット)を通じて、2021年度内をめどに米国で販売を開始する予定。また、カナダでの登録に向け、現在当局による審査が進んでいるほか、この先、欧州や中南米などでも登録申請を計画している。

 住友化学は、引き続き、生物多様性に配慮した持続的な農業に貢献するため、バイオラショナルと、格段に環境負荷を低減する革新的な化学農薬の研究開発に注力し、新たなソリューションを農業生産者に提供することで、世界的に需要の高まる安全・安心な食料の安定供給に貢献していく。

三井化学アグロ 新規殺虫剤が日本での農薬登録取得

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2020年9月29日

 三井化学アグロはこのほど、新規殺虫剤「ブロフレアSC」が日本での農薬登録(農林水産省登録 第24422号)を取得したと発表した。上市準備を進め、来年3月以降に国内での製品販売を予定する。

グローバルな市場拡大を進める農薬新規原体『テネベナール』
グローバルな市場拡大を進める農薬新規原体「テネベナール」

 同製品はキャベツや白菜、ブロッコリー、レタス、ネギなどの重要害虫の防除に、高い実用性を発揮する。有効成分の「テネベナール」(一般名:ブロフラニリド)は、同社が発明した新規原体で、農薬登録国の拡大に向けグローバルな市場開発を進めている。新規な作用機構をもつため、野菜・畑作物に発生する薬剤抵抗性のチョウ目・ハムシ類害虫の対策に展開されている。また、生活環境の分野で問題となる害虫の対策にも貢献し、防蟻用製品は昨年に国内販売を開始した。

 同社は今後も、独自性の高い新規原体の創製と農薬製品の開発を継続することで、食糧生産の向上に取り組み、社会課題の解決への貢献を目指していく考えだ。

住友化学 米国とカナダで新規殺菌剤の農薬登録を取得

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2020年9月2日

 住友化学は1日、米国およびカナダで新規殺菌剤「インディフリン」(一般名:インピルフルキサム)と同有効成分を含む製品の農薬登録を取得したと発表した。日本以外での同製品の農薬登録の取得は、今回が初となる。

 「インディフリン」は、同社が今年までに主要市場向けの登録申請を完了するパイプライン「B2020」の一剤として独自に発明した有効成分で、病原菌のエネルギー生産の過程を阻害する作用をもつコハク酸脱水素酵素阻害剤(SDHI)と呼ばれる殺菌剤に属している。

 優れた殺菌作用や浸達性、浸透移行性があることから、これまでの社内外での評価を通じて、イネの紋枯病、ダイズ・ムギのさび病、果樹の黒星病、テンサイの根腐病・葉腐病といった重要病害に高い効果が認められており、新たな防除手段として期待されている。3月には、日本国内で同剤を含有した園芸用殺菌剤「カナメフロアブル」の販売を開始した。

 今回、農薬登録を取得した米国とカナダでは、有効成分「インディフリン」に加え、主に茎葉散布分野向け製品と種子処理分野向け製品の登録も合わせて取得。それぞれ茎葉散布分野向け製品は「エクスカリア」、種子処理分野向け製品は「ゼルテラ」というブランド名で、子会社であるベーラント社を通じて今年10月から順次販売を開始する予定。

 また、世界最大の農薬市場であるブラジルをはじめ、アルゼンチンおよびEUでの登録に向け、現在、各国・地域の当局による審査が進む。

 同社は今後、「インディフリン」を含有する新規殺菌剤製品がグループの農業関連事業の成長をけん引するブロックバスターになるものと見込んでいる。