帝人ファーマ A型ボツリヌス毒素製剤、効能・効果を追加承認

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2021年6月25日

 帝人ファーマは23日、メルツ社(ドイツ)から日本での共同開発・独占販売権を取得し販売しているA型ボツリヌス毒素製剤「ゼオマイン筋注用50単位、100単位、200単位」について、厚生労働省から「下肢痙縮」の効能または効果の追加承認を取得したと発表した。

 帝人ファーマは、筋・骨格系疾患の患者のQOL向上に貢献するため、これまで様々な医薬品・医療機器によるソリューションを提供。また、脳卒中後遺症などによる運動機能障害の改善を支援するリハビリ用として、歩行神経筋電気刺激装置や上肢用ロボット型運動訓練装置などの製品も展開している。

 こうした中、帝人ファーマは、2017年に同剤の日本国内での共同開発・独占販売権をメルツ社から取得し、2020年に上肢痙縮の効能または効果で製造販売承認を得て上市した。そして、両社は下肢痙縮の効能または効果の追加承認を目指し、メルツ社が日本国内で第Ⅲ相試験を実施。帝人ファーマがその結果をもとに変更承認申請を行い、今回の承認取得に至った。

 下肢痙縮は、主に脳卒中の後遺症として起こる筋緊張の増加や、伸張反射の興奮性亢進によって生じる上位運動ニューロン症候群の1つ。下肢筋が過度に緊張することで正常歩行が難しくなることや、体幹が不安定になることで転倒の危険性が高まるなど、患者の日常生活の妨げとなっている。

 現在、下肢痙縮の治療としては、リハビリ、経口筋弛緩剤、神経ブロック療法などが行われている。A型ボツリヌス毒素注射剤である同剤は、末梢のコリン作動性神経終末に作用し、神経伝達物質であるアセチルコリンの放出を阻害することで随意筋の筋力を弱め、筋緊張状態を緩和する。

 特徴としてA型ボツリヌス毒素から、メルツ社が開発した精製技術を使って複合タンパク質を取り除き、神経毒素のみを有効成分としていることが挙げられる。これにより、中和抗体が産生されることによる効果減弱の可能性の低下が期待されている。

帝人ファーマ 内分泌腫瘍治療剤、効能・効果の追加承認を取得

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2021年2月3日

 帝人ファーマはこのほど、仏イプセンから導入している先端巨大症および下垂体性巨人症、膵・消化管神経内分泌腫瘍治療剤「ソマチュリン皮下注60㎎、90㎎、120㎎」について、厚生労働省より、「甲状腺刺激ホルモン(TSH)産生下垂体腫瘍」の効能または効果の追加承認を取得したと発表した。

 TSH産生下垂体腫瘍は、脳の下垂体にできる良性の腫瘍の一種で、日本国内の患者数は135人ほどの希少疾患。治療としては、腫瘍切除術が第1選択とされているが、手術が困難な場合や、手術後に腫瘍が残った場合には薬物治療や放射線治療が必要となり、また、手術前には甲状腺ホルモンの増加を抑えることも求められる。欧州では薬物治療として、ソマトスタチンアナログ製剤の使用が推奨されているが、日本国内には適応症をもつ医薬品がなかった。

 こうした中、同社は厚生労働省より要請を受け、同剤の適応症を取得するために開発を行ってきた。今回の効能または効果の追加承認取得により、同剤は、TSH産生下垂体腫瘍の適応症をもつ日本で初めての医薬品となる。なお、「ソマチュリン皮下注」と同じランレオチド酢酸塩を主薬とする製剤は、英国、仏国を含む30の国と地域で、TSH産生下垂体腫瘍に対する適応が承認されている。

 帝人ファーマは、今後も新規創薬研究のみならず、適応拡大にも注力し、希少疾病を含むアンメットニーズの高い疾患に新たな治療選択肢を提供することで、患者のQOL向上に貢献していく。