三菱ガス化学はこのほど、ガスバリア性接着剤「マクシーブ」によりモノマテリアル包材の酸素バリア性と耐屈曲性が向上したと発表した。パッケージにおいても、プラスチック使用量削減、賞味期限延長、リサイクルの容易さといった持続可能なソリューションが求められ、従来の異種材料構成に代わりポリプロピレン(PP)系のアルミ蒸着フィルムから成るモノマテリアル包材が着目されている。
しかし、これらPPモノマテリアル構成ではバリア性は不十分で、屈曲による酸素バリア性の低下も課題である。「マクシーブ」はエポキシ樹脂とアミン系硬化剤からなる二液系エポキシ硬化型のガスバリア性接着剤で、基材フィルムとシーラントフィルムとの接着に使用すると、ラミネートフィルムにガスバリア性を付与できるため、食品向け包材や工業用途などで広く使用されている。
今回、アルミ蒸着PPフィルムのドライラミネート工程に「マクシーブ」を適用することで、酸素バリア性は従来型接着剤の使用時と比べ100倍以上、かつ屈曲による酸素バリア性低下が著しく抑えられたモノマテリアル包材の実現が可能となった。
プラスチック使用量削減による環境負荷低減、賞味期限延長による食品ロス削減、リサイクルが容易なモノマテリアル包材への適用といった、持続可能なパッケージ向けソリューションとしての「マクシーブ」の積極的な拡販を通じて市場開発を加速するとともに、経済的価値と社会的価値の両立を目指していく。なお詳細は、日本包装学会第30回年次大会で紹介した。