デンカは4日、CO2削減に貢献する高断熱ボード・成形体を開発したと発表した。高温環境下で長期間使用可能な高断熱素材として、2021年度上期より試験販売を開始する。
同開発品は結晶質アルミナ短繊維「デンカアルセン」に、無機材料設計の基盤技術を応用し自社開発した高耐熱・多孔質セラミックス材料。CA6(カルシウムヘキサアルミネート)を複合させることで、固体・気体熱伝導を低減し、特に1400℃領域高温下での良好な断熱性能を発揮する構造を実現した。これまで技術的に困難とされていた1000℃以上の高温下での良好な断熱性により、従来の耐火材と比較して、約60%のCO2削減効果が見込まれる。また、CA6を有効に適用したことで酸化鉄による耐浸食性も改善されることから、鉄鋼業向けへの採用も期待できる環境貢献製品。
デンカは、経営計画の中で高付加価値インフラ事業を重点分野と位置づけている。鉄鋼業界をはじめとする各産業界が2050年に向けてカーボンニュートラルに取り組む中、SDGsを羅針盤に持続可能な社会の実現に向けて同社の特色を生かした環境貢献製品の開発を進め、「真に社会に必要とされる企業」を目指していく。