積水化成品工業はこのほど、高耐熱軽量発泡体「ST‐Eleveat」の植物由来グレードを開発したと発表した。環境保全に配慮した製品を求める市場状況から、同シリーズに植物由来の素材を適用した「ST‐Eleveat BIO」を開発。石油由来の原料を再生可能な植物由来資源に置き換え、発泡化技術を駆使することで新たなグレードを確立することに成功した。
「ST‐Eleveat BIO」は、植物由来原料を用いているため、カーボンニュートラルでCO2を増やさない環境負荷の小さい製品であると同時に、従来品からの①耐熱性=180℃×168時間の条件下の寸法収縮率は1%以下②難燃性=UL94規格の燃焼性試験で「V‐2」に適合③軽量性=非発泡樹脂成形品と比べ80~90%の軽量化が可能④省資源=ベース樹脂を5~10倍に発泡する資源の環境対応製品―といった特長を備える。
「ST‐Eleveat」は、エンジニアリングプラスチック、およびスーパーエンジニアリングプラスチックを主原料とする発泡体で、特に高温環境下での使用に適している。近年、省エネやCO2排出量低減の観点から、自動車や輸送分野では構造部材の樹脂化やCFRPの活用などによる軽量化が進んでいるが、従来品では難しかったエンジンルーム内などの高温となる部位でも使用できる高耐熱、高強度な軽量構造部材を実現するために開発した。
積水化成品グループは、「環境リーディングカンパニー」を目指し、従来から注力している3R活動(Reduce、Reuse、Recycle)に加え、2R(Replace、Re‐create)を含んだ「SKG‐5R」活動を推進。開発品は、この中の「Replace」活動での開発の1つであり、素材を石油由来から持続可能な植物由来に置き換えた一例となった。
今後は、さらに植物由来原料の配合を増やし、環境にやさしい製品の開発を積極的に行っていく考えだ。