出光興産と種子島石油、および鹿児島県西之表市はこのほど、種子島で「公共交通のEV化によるサービスステーション(SS)におけるEV関連事業」の共同実証の取り組みを開始すると発表した。共同実証では、公共交通車両のEV化と、種子島石油が運営するSSなどで充電を含めたEV関連事業を検証。来年1月の試運転を経て2月から運行を開始する予定だ。
この取り組みに対し、出光興産は、種子島石油と業務委託契約を、また西之表市と共同取組契約をそれぞれ締結した。共同実証では、西之表市内の公共交通車両にEVを導入し、充電を種子島石油のSSなどで行う。
EV化によるCO2排出量削減効果、公共交通機関維持にかかる自治体の財政負担の低減効果、またSSなどでのEV充電サービスのオペレーションなどを検証し、カーボンニュートラル(CN)社会の実現に向けたEV関連事業モデルを実証する。なお同実証は、経済産業省の補助事業の採択を受けている。
出光興産は種子島を拠点に、昨年から種子島石油、西之表市、東京大学らと共に、交通、福祉、エネルギー、産業、環境、人材育成、防災防犯、観光の8つの切り口で、地域課題の抽出とソリューションの共創に取り組んでいる。この共創では、出光興産がもつ全国約6300カ所のSSネットワークが蓄積した地域課題に関する知見、地域社会に根差した事業を展開する特約販売店との連携を生かし、地域との共創による新たな価値創造を目指している。
今回の実証では、主に交通・エネルギーの面に着目し、CN社会の実現に資する島内モビリティの社会実装を目指す。実証後には蓄積したデータを活用し、島内の再生可能エネルギーの開発やその電力を活用した充電設備の整備などを検討する。また、人口減少による空き家の増加や農業の担い手不足を補う物流面での支援など、種子島が抱える様々な地域課題の解決に向け、出光興産、種子島石油、西之表市の3者は、今後も連携して取り組みを進めていく。