帝人は25日、同社が開発した2次元通信シートがプラス社の座席管理アプリ「Suwary(スワリー)」に搭載され、オフィスでの新型コロナウイルス感染者との濃厚接触者の把握をサポートする機能を実現したと発表した。
濃厚接触者の把握サポート機能は、オフィス利用者がコロナ感染した場合、感染者がオフィス内で、誰と、どこで、どれくらい接触していたかという情報を抽出し把握する。フリーアドレス制やサテライトオフィスを採用している企業などが、コロナ感染対策のソリューションとして「スワリー」を有効活用することが期待される。
プラス社が展開する「スワリー」は、シート状のデバイスを設置するだけでデスクを簡単にIoT化し、予約管理ができるアプリケーションサービス。アクティビティ・ベースド・ワーキング(時間と場所を自由に選択できる働き方)が推進される中、効率的に業務管理や利用促進を図るツールとして利用が進む。
その「スワリー」の正確な位置把握システムは、帝人とセルクロスが開発した2次元通信シートと、タグキャストのビーコン技術との組み合わせにより共同開発した平面認証ビーコン「PaperBeacon(ペーパービーコン)」の技術によるもの。帝人が独自開発した2次元通信シート上に電波を留めることで混信を避け、座席ごとの位置情報を正確に発信。これにより、従来のビーコンでは困難であった、大人数が集まるスペースでのテーブルやイス単位の限られた場所を特定することも可能だ。
これまで帝人は、電波を留められる二次元通信技術を生かした「ペーパービーコン」を、「人」の所在管理システムとして、飲食オーダーシステム「プットメニュー」や、今回の「スワリー」に展開してきた。今後は「人」の管理から「物」の管理へと対象を広げることで、工場・物流分野へも展開し、さらなる事業拡大を図っていく。