クレハはこのほど、2020年3月期の通期連結業績(IFRS)予想について、売上収益1420億円(前回予想比20億円減)、営業利益180億円(同105億円減)、親会社の所有者に帰属する当期利益145億円(同75億円減)に修正すると発表した。修正の主な理由として、構造改革費用を計上したことが挙げられる。
同社のPGA(ポリグリコール酸)樹脂加工品事業は、シェールオイル・ガス掘削用フラックプラグ市場で、PGA樹脂製フラックプラグおよび素形材を販売しているが、顧客要求が厳しくなっていることや競合品との価格競争激化、原油価格の下落などの市場環境の変化により、今後の販売拡大の遅れと収益性の低下が懸念されている。
今回、こうした状況を打開するため、PGA樹脂製フラックプラグをコア製品と位置づけつつ、石油・ガス開発分野に向けたソリューション提供型の事業への発展を目指し、非PGA系分解性フラックプラグも開発・販売することとした。この事業戦略の変更により、事業資産の評価を見直した結果、約106億円の構造改革費用を計上する予定となった。なお、新型コロナウイルス感染症の流行による影響は軽微としている。