日鉄ケミカル&マテリアルの4-9月期 コロナ影響で厳しい収益に

,

2020年11月9日

 日鉄ケミカル&マテリアルは6日、2021年3月期第2四半期の連結業績(IFRS)を発表した。売上高は前年同期比31%減の789億円、事業損失36億円(149億円減)となった。新型コロナウイルスの感染拡大に伴う世界的な景気の減速と製品市況の悪化が続く中、一部事業では改善の兆しが見られるものの、全体では極めて厳しい収益状況となった。

 セグメント別で見ると、コールケミカル事業は売上高76%減の120億円。主力の黒鉛電極向けニードルコークスの需要低迷が続いた。化学品事業は売上高65%減の330億円。スチレンモノマーの価格低迷が継続した。

 機能材料事業は売上高52%減の270億円。スマートフォン向け材料については厳しい販売状況が続いているものの、旺盛なIT関連投資を背景に半導体関連材料であるボンディングワイヤの需要が回復。加えて、タブレット端末やノートパソコン需要を背景に、液晶ディスプレイ用材料が堅調に推移した。

 複合材事業は売上高61%減の70億円。炭素繊維による土木・建築分野向け補強材料が順調に販売を伸ばした。