花王はこのほど、脱炭素社会の実現に向けた目標を引き上げ「2040年までにカーボンゼロ」「2050年までにカーボンネガティブ」を目指すと発表した。
花王グループは製品ライフサイクル全体を通じ、様々なステークホルダーと共に環境負荷削減に取り組んできた。2019年には、生活者の持続可能な暮らしの実現に向けてESG戦略「キレイライフスタイルプラン」を策定し、中長期目標を公表した。
今回、SBTi(科学的根拠の基づく検証・認定)の「2.0℃目標」認定を、「1.5℃目標」想定に引き上げて申請し、それに伴い「同社グループ自らの排出量を2030年までに22%削減(2017年基準)」目標を「55%」(同)に引き上げた。2006年から導入している社内炭素価格制度を活用して、CO2排出量の少ない設備の導入や再生可能エネルギーの使用をさらに推進していく。
また、自家消費用太陽光発電設備の導入と購入電力の再生エネルギー化をさらに推進し、新たに「2030年までに使用電力を100%再生可能電力化」を目標に設定し、国際的イニシアチブ「RE100」にも申請した。さらに、同社製品・サービスを利用することで「社会全体でのCO2削減量を2030年までに1000万t」とする目標を新たに設定し、コンシューマープロダクツ事業やケミカル事業での社会のサステナビリティに貢献する製品・サービスや技術開発を推進する。
なお「製品ライフサイクル全体のCO2排出量を2030年までに22%削減(2017年基準)」目標は継続。原材料削減、天然原料の利用、節水製品の展開、包装容器のプラスチック使用量削減や再生プラスチックの利用を引き続き推進していく。
花王は新たな「脱炭素」の目標に向け、CO2の「リデュースイノベーション」と「リサイクルイノベーション」に取り組んでいく考えだ。