新日本理化はこのほど、2050年のカーボンニュートラル(CN)実現に向けた取り組みを加速することを決め、そのロードマップを策定した。
脱炭素社会の実現を目指す動きが世界で急速に高まり、化学工業についても
2022年4月27日
2021年10月21日
三菱ケミカルホールディングスは20日、2050年のカーボンニュートラル(CN)実現に向けた方針を発表した。
同社は。中長期経営基本戦略に、GHGインパクトニュートラルが達成されていることを2050年に目指すべき社会の1つの条件として掲げ、その実現のため、バリューチェーン全体を通じたGHG低減・有効活用などの施策を推進。今回、世界各国・地域の状況を踏まえ、グローバルなGHG削減目標(スコープ1、2)および方針を策定した。
まず、2030年度までにGHG排出量を、グローバルで29%削減(2019年度比)する。製造プロセスの合理化、自家発電用燃料転換などによる削減(自助努力)のほか、2030年度に世界各国・地域のCO2排出係数を前提に電源構成に基づく削減(外部要因)を行う。
そして、2050年までにGHG排出量を実質ゼロとするCNを達成する。製造プロセスの合理化継続、バイオマス原料の活用やCO2の原料化などのイノベーションの実装に取り組むことに加え、植林などによるカーボンオフセットも図る。
ただ、各国政府・機関・企業などのイニシアティブによる、CO2フリーの電力供給、水素・アンモニアなどのサプライチェーンの確立と低価格化、CNに向けた研究開発・設備投資への補助などを前提条件(外部要因)とした。なお、設備投資については、2030年度までに約1000億円を見込んでいる。
一方、同社グループの主要会社である三菱ケミカルは、CN達成に向けたGHG排出量の削減目標(スコープ1、2)として、2030年までに世界は32%以上(2019年度比)、日本は43%以上(2013年度比)を設定した。
取り組みとして、①エネルギー転換の実施、②社内炭素価格制度の導入、③ライフサイクルアセスメント実施体制の強化、を掲げる。
具体的には、①では、2030年度までに国内事業所・工場において再生可能エネルギー・LNGなどを導入し、石炭火力発電からの脱却を目指す。
②では、GHG排出削減と事業成長の両立のため、2022年度から社内炭素価格制度を導入。スコープ1、2に加え削減貢献も評価対象とし、設備投資の判断指標の1つとして活用する。今後は、研究開発の投資判断にも制度対象を拡大させ、事業ポートフォリオ戦略の指標としていく。
③では、2022年度上期中に国内事業所・工場で生産される全製品について、カーボンフットプリントを速やかに算定できる体制を確立する。デジタル化や従業員への教育を推進し、スピーディーに算定を行うことで、製品チェーン全体でのGHG排出削減に向けた取り組みを加速させる。
2021年8月2日
昭和電工は30日、長期ビジョンでの目指す姿「持続可能なグローバル社会に貢献する会社」として、2050年のカーボンニュートラル(CN)実現に同社グループ全体で取り組んでいくことを決定したと発表した。
気候変動に対する対策については、パリ協定の採択をはじめ、世界規模で様々な取り組みが進んでいる。日本においても、政府のCN宣言やGHG(温室効果ガス)排出削減目標見直しなど、CNへの取り組みは今後ますます加速することが予想される。
同社グループでは、2019年のTCFDへの賛同など従来から気候変動への対応を進めているが、さらに2050年にCNを実現するために、ロードマップを作成しGHGの排出削減を進めることを決定した。
同社グループは、これまでもグローバル社会の持続可能な発展に資する多くの製品を提供し続けているが、より一層の貢献を実現するために、生産過程でのGHGの排出削減が今後の重要な課題であると認識している。このため、CNの取り組みでは、保有する生産技術の進化、発展をより一層加速するとともに、すでに一定の技術を確立し事業化しているプラスチックケミカルリサイクルにおいても、CNの視点を加えて2030年までを目標に技術開発を進める予定。
またマイルストーンとして、2030年までにGHG排出量を30%削減(2013年比)する目標を設定した。従来のバウンダリーを見直し、2023年統合予定の昭和電工マテリアルズとともに、省エネルギー、原燃料転換、設備改善による高効率化などの様々な施策を進めて排出量削減を実現する。なお、これら取り組みの進捗については、同社のサステナビリティサイトや毎年発行する昭和電工レポート(統合報告書)にて公表する予定。
同社グループは、SDGsをはじめとする社会課題の解決に貢献する事業活動を強力に推進するため、今後も環境に配慮した生産設備・技術の導入や積極的な環境対策の推進、高度循環型社会を支える製品の供給などにより、社会全体のCNへの貢献を含め、持続可能なグローバル社会へ貢献する企業を目指していく。