宇部興産・京セラ 合弁会社設立で合意、5G用フィルター事業拡大へ

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2019年9月3日

 宇部興産は2日、京セラと第5世代(5G)通信基地局用のセラミックフィルター事業の拡大を目的とする合弁会社設立に合意し、合弁契約を締結したと発表した。

 今年12月をめどに、宇部興産の100%子会社であるユー・イー・エルの株式51%を京セラが取得し、「京セラ宇部RFテック」として、新体制で事業を開始する予定。なお、京セラ宇部RFテック(京セラ滋賀野洲工場敷地内)の従業員数は12人、生産子会社である京セラ宇部(無錫)通信科技(中国江蘇省)の従業員数は154人となっている。

 大容量・低遅延・多数接続を可能とする5G移動通信システムには、比較的広範囲をカバーするマクロセル基地局とスポット的に超大容量のデータ通信に対応するスモールセル基地局があり、今後普及が進む見通し。これらの基地局は、多数のアンテナを配置するとともに、狭小な場所にも設置できるように部品の小型化が必要不可欠となっている。

 ユー・イー・エルの主力製品であるセラミックフィルターは、基地局のアンテナと対になる重要部品であり、5Gに対応した特定の周波数を通過または遮断させる機能を備えている。セラミックスを用いることで、より高出力かつ小型化が可能なことから、特にマクロセル基地局では、金属製フィルターの代替製品としての期待が高まっている。

 合弁会社では、ユー・イー・エルが培ってきたフィルターの設計技術力と、京セラの生産技術力やグローバルな営業力を融合させることで、5G通信基地局用のセラミックフィルター事業の拡大を目指していく。