帝人ファーマはこのほど、自社創製した高尿酸血症・痛風治療剤「フェブキソスタット」(一般名・中国販売名「非布司他片」、登録商標「FEBURIC(菲布力)」)について、中国の国家薬品監督管理局(NMPA)から輸入薬品承認を取得したと発表した。
同剤の20mgと40mgの規格に「痛風患者における高尿酸血症治療」の適応が認められた。現地で販売委託契約を締結しているアステラス製薬(中国)と連携し、来年初頭の販売開始に向けて準備を進めていく。
フェブキソスタットは、世界的に治療薬の種類が少なかった高尿酸血症・痛風治療の領域で、約40年ぶりに同社が開発に成功した医薬品。1日1回の服用で、腎機能が軽度から中等度低下した患者も、用量調節をせずに服用することが可能であることから、中国でも新たな選択肢として、患者の治療に貢献することが期待される。
中国で実施された疫学調査の結果によると、中国国内の痛風の患者数は全人口の1.1%(約1500万人)。その主因となる高尿酸血症の患者数は、全人口の13.3%(約1億8000万人)に上ると推定されており、治療選択肢の多様化のニーズが高まっている。
こうした中で、同社はフェブキソスタットをグローバル戦略品と位置づけ、世界第2位の医薬品市場である中国での上市に向けて、2010年からアステラス製薬(中国)と取り組んできた結果、承認を取得するに至った。
現在、同社は米国や欧州、中国、東南アジア、中東など100以上の国や地域で、フェブキソスタットの独占販売契約を締結し、9月現在、すでに77カ国で販売している。今後もこうしたグローバル展開に注力するとともに、フェブキソスタットの価値向上に向けて臨床研究の支援や疾患啓発などの活動を行い、世界中の患者のQOL向上に貢献していく考えだ。